Photo:高遠町(現伊那市) ※使用についての許諾を受けています。
この写真はイメージです。咲き始めや散りかけの時、あるいは光線の加減によっては確かにこのような色に見えますが、満開の時の色はもう少し淡い上品な色をしています。
このページの写真は資料画像です。リアルタイムの状況ではございませんのでご注意願います。
高遠城址公園
高遠城址公園は長野県南部の伊那市にあります。日本の屋根と言われる南アルプスと中央アルプスの間にある城跡です。南は断崖と三峰川(みぶがわ)に、西と北は断崖と藤沢川によって守られています。東側は月蔵山(がつぞうざん)に守られています。昔は地政学的に重要な場所でした。
高遠城は高遠氏という豪族によって築かれ、織田信長が全国制覇しようとしていた頃に現在の山梨県である甲斐(かい)の武田信玄によって整えられました。整備の際は武田の有能な家臣である山本勘助が設計し直しました。そのような城なので難攻不落の城郭だったのです。天正10年に織田信長が攻めてきたときには5万人の勢力に対してわずか3千人で3日間持ちこたえたといいます。
城郭の分類的には平山城です。堀はありますが城が岡の上にあるので空堀(からぼり)となっています。高遠城は本丸・二の丸・三の丸・南廓(みなみぐるわ)・笹廓・勘助廓など当時の雰囲気を残しています。
現在では(公益財団法人)日本城郭協会認定の「日本100名城」の一つとなっていて、スタンプを集めているお城ファンからも人気があります。スタンプは伊那市立高遠町歴史博物館にあります。
二つのアルプスのどちらかを背景に桜の写真を撮ることができます。4月のお花見シ-ズンには20万人ほどの観桜客でにぎわいます。
タカトオコヒガン桜
Photo:高遠町(現伊那市) ※使用についての許諾を受けています。
植物界 被子植物門 双子葉植物綱 バラ目 バラ科 サクラ属 コヒガンに分類されます。タカトオコヒガン桜は固有種です。マメザクラとエドヒガンザクラの交雑種と考えられています。小ぶりの花ですが玉のように寄り集まって咲きます。そのためにボリューム感もあるのですね。ソメイヨシノよりは色が濃く、やや薄桃色に近い、淡く優しいピンク色です。沖縄のヒカン桜や伊豆の河津桜よりは薄い色です。タカトオコヒガン桜は可憐な姿で人気があります。成長とともに枝が若干枝垂れて行くので剪定していなければ手に届く高さで花が咲きます。10メートル近い大木になります。1500本のタカトオコヒガン桜が群生している場所は全国でも高遠にしかありません。交流している都市の関係で新宿御苑に数本、三宅島にも数本が生育しています。また母種となったマメザクラとエドヒガンザクラが自生している伊豆半島には自生していると思われる個体が見つかっています。タカトオコヒガン桜は葉よりも先に花が咲きます。
高遠城址公園のタカトオコヒガン桜
Photo:高遠町(現伊那市) ※使用についての許諾を受けています。
タカトオコヒガン桜はもともと城から離れた馬場に生育していました。その桜を明治4年の廃藩置県の折に旧藩士たちが高遠城に移植しました。(諸説あり。)そこから始まっていると言われています。
その後、タカトオコヒガン桜は「天下第一の桜」と称されてきました。古い石碑にもそのように書かれています。高遠城址公園のタカトオコヒガン桜は(公益財団法人)日本さくらの会の「さくら名所100選」に選ばれています。
高遠城跡のタカトオコヒガン桜の見ごろは4月上旬から中旬です。年によって開花日や満開日が異なります。予測はかなり難しいです。開花して5日ほどで満開になることが多いです。平成21年から平成25年の間のデータによれば開花は4月1日~16日の間に、満開は4月10日~22日の間にと、年によって異なります。ぶれ幅は約2週間もあります。これでは個人的に予測するのは難しいわけですよね。そのような訳で毎年開花状況は異なるため、高遠城址公園へのお花見を考えている場合には最新の状況を確認する必要があります。桜の開花予測については最近、民間の気象会社の予測が優れていて比較的信頼できます。ホームページなどで確認することができます。
高遠城址公園のお花見
高遠のお花見は「高遠城址公園さくら祭り」と呼ばれています。
期間は毎年4月1日から4月30日に行われます。期間は長く設定されていますが実際にお花見ができるのは5分咲きから落花盛んと言われる約1週間ほどの間です。期間中の8時から5時までは入場料金がかかります。最盛期には午前6時から午後9時30分まで有料です。
夜桜ではライトアップがあります。期間中原則としてライトアップは日没から午後10時まで実施されます。
入場料は一般500円、小・中学生は250円です。団体の場合は一般400円、小・中学生は200円です。
「高遠城址公園入園観覧券」を購入すると藩校の「進徳館」と「絵島囲み屋敷」も入場できます。歴史博物館と信州高遠美術館は別途入館料がかかります。
高遠の桜についての開花情報入手方法
開花情報テレホンサービスが便利です。
0265‐94‐3939
伊那市観光協会のホームページも便利です。
よいお花見を!