シンガポール・ホリデイ⑤(旅行 連載小説 短編)

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お買い物へ

ハナ、リクト、ミナ、カイトの4人は植物園を出ました。タクシー乗り場からタクシーで移動することにしました。タクシーのドアは自動では開かないようです。カイトがにこやかに「どうぞお姫様がた。」と、うやうやしくドアを開けてくれました。シートベルトは後席も装着が義務づけられているそうです。

買い物をするためにブギスストリートへ向かいます。ブギスストリートを選んだ理由は雑貨やファッション系の商品が豊富で楽しくショッピングができそうだからです。本当はブランド品も少し買いたいのですが、それは空港の免税店で見ることにしました。

道中、運転手さんがシンガポールの道路について教えてくれました。シンガポールの道路にある黄色い線にはいろいろな意味があるようです。

①「黄色で直線の一本線」は、日曜日と公休日以外の朝7時から夕7時までの駐車禁止の区域です。

②「黄色で直線の二本線」は、人の乗降など極めて短時間の停車を除いて、終日駐車禁止の区域です。

③「黄色でジグザグの一本線」は、②の「黄色で直線の二本線」と同じ意味です。罰則が異なるそうです。

④「 黄色でジグザグの二本線」は、基本的に、終日駐車禁止の区域です。極めて短時間の停車も禁止されています。

とのことでした。

つまり、「黄色でジグザグの二本線」以外の場所ならほぼどこでもタクシーを拾うことができるのかな?

けれども冷静にミナが言いました。「法律はいつ変わるかわからないから、この次来るときには外務省のページとかで確認しておくほうがいいよね・・・。」

ハナ「えっ?それキャラ違わない?」

ミナ「そうかな(笑)」

ハナはなんだかミナが急に大人びて感じられました。もちろん二人ともいい大人ではあるのですが・・・。

念のためネットでシンガポール関係のサイトを見てみたらシンガポール市内の場合、タクシーはタクシースタンド以外は乗降禁止という内容を書いているページもありました。う~ん、よくわからない・・・。

そうこうしているうちにタクシーはブギスストリートに着きました。支払いは現金で済ませました。クレジットカードを使うと手数料がかかるので10%ほど高くなるようです。また、シンガポールではチップを考えなくても良いそうです。

ブギスストリートにて

ブギスストリートはMRTブギス駅近くの買い物ゾーンです。アラブストリートなども近いようです。観光客が非常に多く、たいへん混み合っていました。

そこはTシャツや雑貨などを売る店がたくさん並んでいます。スイーツやフレッシュジュースも楽しめそうです。お菓子も売られていました。

ハナたち4人も、勤め先や知人、家族へのおみやげを買うことにしました。少しは自分用にも買うつもりです。

ハナは皆とお店のある通りを歩きながらあっという間に次のとおりのおみやげ類を買い終わりました。

マーライオン クッキー ミニ
マーライオン チョコ ミニ
入浴ジェル
ボディーミスト
フレンチアールグレイ紅茶
ダージリンの紅茶 (ビンがすてき)
マーライオンのTシャツ
お菓子のトッピングセット
バナナフレーバー
パプリカパウダー(ポテトにつけると良いらしいです。)
チリソース
お菓子作りキット
マーライオンのマグネット
植物園にあったツリーのマグネット
ランドマークになっている宿泊施設のマグネット
マーライオンのカラフルなペン
カヤジャム(トーストに付けると良いらしい。)

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ハナは買い物用に丈夫だけれど薄手の布でできた大きなボストンバッグをたたんでショルダーバッグに入れて持って来ていたので、とりあえずそこへ全部入れました。

他の皆もそれぞれ大満足な買い物成果でした。

歩きまわって喉も乾いたのでフレッシュジュースを飲みながらカヤボールを食べよう!ということになりました。カヤボールはカステラ生地にココナッツミルクと卵などから作られたカヤジャムが入ったものです。

リクト「ドリアン味もあるみたいだね。」

ハナ「私はちょっと無理かも・・・。」

結局、普通のカヤジャムが入ったカヤボールにしました。ハナはリクトと話をしながら一緒にカヤボールを楽しみました。話ははずみました。

楽しく話をしながら、ハナはふと思いました。(日本に帰ったらもう会えないのかな?)

皆、荷物がいっぱいになってしまったのでとりあえず買い物した品物の袋を置きに一旦宿へ帰ることにしました。

リクトは厳選しておみやげを買ったので袋は少しです。ハナが重そうにボストンバッグを担いでいたら、「僕が持つよ!」と言ってひょいっとハナの荷物を代わりに持ってくれました。「ありがとう!」「どういたしまして!」

ハナはリクトが肩にかけたボストンバッグの持ち手を握る手を思わず見てしまいました。日焼けしたリクトの手首から上腕までがとてもたくましく見えました。ハナはリクトがとても頼もしく思えました。

タクシー乗り場を見つけたので皆でまたタクシーに乗りました。宿まで少し時間がかかりましたけれども無事に宿に着きました。1時間後にロビーで待ち合わせをすることにしました。

荷物をスーツケースに収めてから、部屋でハナとミナは紅茶を飲むことにしました。そして少し話をしました。

ミナ「どう?楽しめてる?」

ハナ「うん、お買い物もできたし、なんだか楽しいよ!」

ミナ「そう、良かったね!」

ハナ「・・・」

ミナ「どうしたの?ハナ。」

ハナ「うん、リクトさんたちと知りあえてうれしいんだけど、やっぱり日本に帰ったらもう会えないのかな? なんてね・・・。」

ミナ「え? そんなの、会えばいいじゃん。」

ハナ「そう?」

ミナ「そうだよう、せっかく知り合えたんだしメアド交換したりすればいいんじゃないかな?」

ハナ「そっかあ。そうだよね。よし、そうしよう!」

ミナ「そうだよ!」

少し二人で笑いました。

ミナ「あのね、ハナ、あたしね・・・。」

そのとき突然外で「ザー」っと大きな音がしました。

ハナ「何の音?」

ミナ「スコールかな?ほらここ熱帯だから。」

ハナ「ああ、そうか。」

ミナ「建物の中にいるときでよかったね。」

ハナ「そうだね。」

窓辺から外の景色を眺めました。激しい雨が降っています。

ハナ「初めて見たけどすごいね!」

ミナ「そうだね、すごいね!」

ハナ「あとは晩ご飯を食べて夜の動物園を見るだけだね。」

ミナ「そうだね。」

(つづく)

良い旅を!

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