台湾 DE ソリューション ①(旅行 連載小説 短編)

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この連載小説について

台湾は私が初めて行った場所です。その時とても楽しかったので今でも旅行が好きなのかもしれません。そこで懐かしさと台湾への新たなる旅の憧れを持って連載小説風にしてみました。ただし、行ったことがあるといっても30年も前のことなので随分様子が変わっているようです。なので実際には見ていない部分も多いです。

いつもどおり可能な限りの取材を行って書いていますが、実際には現地を知らないことと同じ訳ですから突っ込みどころは満載だと思います。実際に現地への旅行を予定している皆様のために、台湾への旅行経験のあるかたは、ぜひ正しい内容を補足していただけますと幸いです。物語も例によって「想像」で書いています。なのでこちらも無理はいっぱいです。けれどもやはり細かいことはあまり気にせず、今回も楽しくお読みいただけますと幸いです。

はじまり

モナはメイという女友達がいます。保育園・小学校・中学・高校と2人はいつも一緒でした。何でも相談できる信頼できる気の置けない親友なのです。

けれども高校を卒業して社会人になってからは就職先が別々になってしまいました。そのため2人で会う機会も頻度が少なくなっています。

それでも相変わらず同じ町に住んでいるので、2人で会うことはそれほど難しいことではないし、お互いに楽しみでもあるのです。

2人は国内の旅行は随分一緒に行っているのだけれど、海外旅行はまだ行ったことがありません。

日曜日、モナは仕事がお休みです。昼食後、秋の穏やかな陽だまりの中、自宅のサンルームでリラックスできるイスに座って日向ぼっこをしていました。

携帯電話が鳴ります。メイでした。

「モナ? もしもし、元気?」

「メイ? 元気よ!」

「なんかね、急に旅行に行きたくなったの。」

「旅行? いいねえ。」

「でしょう?」

「どこにする?」

「国内は2人で随分行ったから、今度は海外!」

「ええっ? 海外?」

「うん。真面目だよ。本当に行きたいんだよ。」

「でも今は行き先が難しいよね。」

「まあね、でもツアーが企画されているところなら大体大丈夫だと思うよ。」

「そうね。でも近いところがいいな。」

「台湾なんてどう?」

「いいねえ。」

「そっか。じゃ決まりね。」

「今度の日曜日に打ち合わせする?」

「今度の日曜日ならいいよ。」

「じゃあそういうことで。」

「うん。」

「バイバイ!」

「バイバイ!」

あっという間に台湾行きが決まったのでした。

 

打ち合わせの日曜日

モナはメイと駅の近くのコーヒーショップで待ち合わせをしました。モナが先にお店に着きました。ココアを注文するとカランコロンと扉に付いたベルが鳴りました。メイも来たようです。

「モナ、待った?」

「ううん、今来たところだよ。」

メイもココアを頼みました。

「それがさあ、いいツアーがあったんだよう。」

「どんなツアー?」

「二泊三日でね、基本は一日自由行動の設定なんだけれど、半日の台北観光と半日の九ふん観光をオプショナルツアーでつけることもできるんだよね。それと空港の送迎も付けるかどうかを決められるんだよね。」

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「自由行動って言っても私たちは台北に詳しいわけではないし、台北観光は付けておいたほうがいいかな。」

「そうね、お昼はおいしい中華料理だって!いいよねえ。」

「それ、いいねえ。」

「九ふんも観てみたいよねえ。確か何かの映画の舞台になっていたような・・・。」

「そうだ、それと空港への行き来も私たちは慣れていないからお願いしたほうがいいよね。」

「そうだね。たぶん自由行動にして空港の送迎を付けない人は、台北に慣れている人なんだよね。」

「いわゆるリピーター?」

「たぶん、そうね。」

「じゃあそれで決まり、日程は来月でいい?」

「うん、いいよ!」

「ツアーは時期によって値段が違うらしいよ。安いときに行くのも手だよね。」

そのあとはしばらくとりとめもない話をしていました。

「そうだ、これから海外旅行用のスーツケース買いに行く?」

「そうだね、必要だもんね、そうしよう!」

「ついでに服も買おうかな。」

「よし、行こう!」

二人はコーヒーショップを出ると旅行用品も売っているデパートへ行きました。

お店に行ったら旅の期間の長さによってスーツケースの大きさが変わるという表示がされていました。

「今回は2泊3日だけれど、もしかしたら、これからそれより長い旅のこともあるよね。」

「でも7日以上行くのは難しいよね。」

「じゃ3泊~5泊位の大きさにしておく?」

「そうだね。」

「ファスナー式とがっちり閉まるタイプとがあるね。」

「うーんあるねえ。」

「安全なところならファスナー式であぶないところならがっちり閉まるタイプとか?」

「どうかなあ。両方あるっていうことはそれぞれの利点とニーズがあるってことだよね。やっぱりその人の考え方や好みによって選ぶのかな?」

「そうだねえ。選ぶのも難しいねえ。」

「鍵はかかるほうがいいよね。」

「そうだね。」

そのとき店員さんが声をかけてきました。

「海外旅行ですか?」

「はい、そうです。」

「基本的にスーツケースというくらいですから着替えのお洋服を入れる程度とお考えいただいたほうが良いですね。ですから鍵はかかりますが貴重品などはお入れにならないほうがよろしいかと思いますよ。」

「ありがとうございます。」

「じゃあこれにしようか?」

「あとは色だね。」

「それは好きな色でいいんじゃない?」

「じゃあ私は黄色!」 とメイ。

「私はオレンジ色!」 とモナ。

スーツケースを購入しました。

そのあと、旅行に着て行く洋服を買いました。買った洋服はさっそく店員さんに手伝ってもらってスーツケースに入れてみました。

「お買い上げありがとうございました。楽しいご旅行を!」

「ありがとうございます!行ってきます!」

歩き始めましたがふと足をとめ、メイが言いました。

「これ、確か伸びるハンドルが付いているんだよね。」

「これかな?」

ハンドルを持ってスーツケースから引き出し、よくテレビで見る、[スーツケースを引っ張って歩く人]のようにコロコロと引っ張って歩き始めました。

「雰囲気出るねえ。」

「旅行の感じだねえ。」

笑いあいながらモナとメイの二人は帰って行きました。

(つづく)

良い旅を!

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