台湾 DE ソリューション ②(旅行 連載小説 短編)

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羽田へ

打ち合わせの日から一ヶ月が経ちました。モナとメイは新品のスーツケースを持って羽田空港までやってきました。今回は添乗員さんが付かないタイプの旅行です。

「いよいよだねえ。」

「そうだねえ。」

チェックインカウンターで手続きをして手荷物検査を受けて出国審査まで無事にできました。二人はブランド品を普段はあまり買わないのですが早く着きすぎて時間が搭乗開始まで2時間もあるので、ぶらぶらとウインドウショッピングを始めました。

「たくさんお店があるねえ!」

「すごいねえ!」

美しいディスプレイが目を引くおしゃれなお店が立ち並んでいるのを見て目を丸くした二人です。

免税店

モナとメイは様々な免税店をのぞいてみました。二人は明らかに商品を見ているだけのいわゆる[ひやかし]ですが店員さんはにこやかでした。

「ブランド品ってあまり買わないんだけれど、こうして実際に見てみると良いものなんだね。」

「そうね、いとこが言うには、一見するとブランド品は価格は高く見えるけれど長持ちするので長く使えば毎年安いものを買い換えるのよりも安くつくらしいよ。」

「そうかあ、丈夫にできているってことね。」

「まあ自分の会社の名前を堂々と付けているわけだから、製品にはとっても自信があるってことかな?」

「そうだね、きっと・・・。そういうことならもし壊れたりしたら修理もしてもらえるのかな?」

「いとこは鞄(かばん)を修理してもらったことがあるって言ってたよ。」

「ふーん、なんか私の中でブランド品のイメージが変わったよ。」

「じゃあ何か買おうか?」

「そうだねえ・・・。」

 

ひやかしのつもりだったのに、結局二人はブランド品を購入することになりました。かわいいおそろいのお財布です。色は黄色とオレンジ色でした。

機内で食べるためのお菓子も買いました。

台北へフライト

その後二人は予定通りの台北松山国際空港行きの便に搭乗することができました。フライト時間はおよそ3時間半です。この路線は便数は少ないのですが台北市内へのアクセスが良いので人気があるそうです。日本と台湾の時差は1時間です。台湾は東京より1時間遅くなります。

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機内での席順はモナが通路側で隣がメイでした。メイのさらに隣には若い女性が座りました。モナやメイと同じ位の年頃です。

電子機器の電源を切るようにと、日本語、英語、中国語でアナウンスがありました。

「海外旅行の感じだね!」

「そうだね!」

その後非常用設備の説明などが画面に流れました。シートベルトの確認をしてから離陸しました。

水平飛行に入り飲み物のサービスがありました。モナはウーロン茶、メイは炭酸飲料を頼みました。前座席の背もたれの後ろに付いている折り畳み式テーブルを使います。メイは隣の若い女性に声をかけます。

「飲み物は何がいいですか?」

「あっ、はい、トマトジュースをお願いします。」

「トマトジュースね!」

通路から遠くに座っているその若い女性のため、メイは代わりに飲み物を客室乗務員さんに頼んであげました。客室乗務員さんはにこやかにトマトジュースをカップに注いで渡してくれました。

「はいっ!トマトジュースどうぞ!」

「ありがとうございます。」

「ご旅行ですか?」

「はい、一人旅です。母が急に用事ができてしまって来ることができなくなってしまったもので・・・。」

「そうでしたか、それは残念ですね。でも旅を楽しめるといいですね。」

「ありがとう。」

やがて皆それぞれ思い思いのことをして機内での時間を過ごしました。モナは持ってきた本を読みました。メイは映画を見ました。隣の若い女性はよく眠っていました。

やがて飛行機は着陸態勢に入ります。座席を正しく戻してシートベルトも確認します。テーブルも戻しました。

窓から外を見ると空港周辺は緑も多いのですが高い建物も多くて大都市という感じです。たくさんの自動車が走る高速道路も見えました。そして無事に台北松山国際空港に着陸することができました。ちょっとほっとした2人でした。

(つづく)

良い旅を!

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