みちのく・弘前にて 9(旅行連載小説 短編)

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「ありがどーごし。どごで、おめは失業中どいうごどじゃが、なんがわぁがおめの力サのれらごどはあらかの?」(ありがとう。ところで、君は失業中ということですが、何か僕が君の力になれることはあるかな?)

「えーど・・・。んだ、こいかきや再就職すらんじゃが、デザインサ関すらごどばしたほうがいいど知人サ勧まなぐきやれたんじゃが、なんがアドバイスばいただげたきや嬉しいじゃ。」(えーと・・・。そうだ、これから再就職するんですが、デザインに関することをしたほうがいいと知人に勧められたんですが、何かアドバイスをいただけたら嬉しいです。)

「デザインだが?うーん。」(デザインですか?うーん。)

「あっ、ぶじょほへした。漠然どした質問じゃしきゃ。」(あっ、すみません。漠然とした質問ですよね。)

 

「いや。切実で正直の質問だど思でゃし。ただ、デザインは広い分野じゃかきや私のアドバイスがピンボケだったきやかんにきゃ。」(いや。切実で正直な質問だと思いますよ。ただ、デザインは広い分野ですから私のアドバイスがピンボケだったらごめんなさいね。)

「いえ、たのむっっきゃ。」(いえ、お願いします。)

デザインの道に進むには

「まずはデザインの本ば何冊か紹介しますかきやそれば読んでみてけろ。それかきや最近はデザインもコンピューターのソフトば使って作らごどががいだはんで、その操作サ慣れましょうきゃ。ほきや、そこば見で、私も教材ば作らどきサ使ってますし。なは絵の基礎もわんつか勉強できてでゃかきやデザインの基礎はそれで十分じゃ。ただし、もしもプロどしてデザインでけ行ぐのだばデザインはんできら会社サ就職すらごどやパソコンで学ベら通信制のオンラインスクールで学ぶごども大事じゃし。)」(まずはデザインの本を何冊か紹介しますからそれを読んでみてください。それから最近はデザインもコンピューターのソフトを使って作ることが多いので、その操作に慣れましょうね。ほら、そこを見て、私も教材を作るときに使ってますよ。あなたは絵の基礎も少し勉強できていますからデザインの基礎はそれで十分です。ただし、もしもプロとしてデザインで食べて行くのならデザインのできる会社に就職することやパソコンで学ベる通信制のオンラインスクールで学ぶことも大事ですよ。)

「ありがどーごしござでゃ。」(ありがとうございます。)

「ただし、デザイン関係サ進むだば一つだげ心得ておぐべきごどがあるのすう。それは、こいかきやの時代は人工知能が更サ発達して、世の中で必要どされらデザインのほどんどは人間でのぐても作らごどができら時代サのらど言われていらどいうごどじゃ。」(ただし、デザイン関係に進むなら一つだけ心得ておくべきことがあります。それは、これからの時代は人工知能が更に発達して、世の中で必要とされるデザインのほとんどは人間でなくても作ることができる時代になると言われているということです。)

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「すごいじゃきゃ、そしたらごどサのらんだが?」(すごいですね、そんなことになるんですか?)

「はい、おそきやぐんだのります。すらど、こいかきやは人間が勝負できらごどは何ののかば考えら必要があるのすう。おめは何だど思う?」(はい、おそらくそうなります。すると、これからは人間が勝負できることは何なのかを考える必要があります。君は何だと思う?)

「人間サしかでぎないごどじゃしきゃえ・・・。のんだべ・・・。」(人間にしかできないことですよねえ・・・。なんだろう・・・。)

「それはきゃ、創造すら力じゃ。クリエイティブの発想。予測不能の表現。斬新の作品。あっぱりアートそのものなしてすきゃ。」(それはね、創造する力です。クリエイティブな発想。予測不能な表現。斬新な作品。つまりアートそのものなんですね。)

「人間の根源的のどごサ答えがあらんじゃきゃ。」(人間の根源的なところに答えがあるんですね。)

「んだなしてす。」(そうなんです。)

「へば、おめは何んぼやてその力ば身サ着つもっける?」(それなら、君はどうやってその力を身に着ける?)

「うーん。先生、私サはわんつか難しすぎます・・・。」(うーん。先生、私にはちょっと難しすぎます・・・。)

「そしたらごどはねんだし、答えは難しぐねんじゃ。デザインの場合は美ば感じら力ば高まなぐらごどじゃ。あっぱりセンスば磨ぐごどかの? 具体的サは美しい作品ば見ら。美しい自然ば見ら。美しい音楽ば聴ぐ。潮の香りば感じら。め食べ物ば味わう。やませば感じら。気持ちのいい布地サ触れら。歩いてみら。人ど話ばしてみら。恋ばしてみら。五感ば鍛えらんじゃ。こいは非論理的のものだしきゃ。」(そんなことはないんだよ、答えは難しくないんです。デザインの場合は美を感じる力を高めることです。つまりセンスを磨くことかな? 具体的には美しい作品を見る。美しい自然を見る。美しい音楽を聴く。潮の香りを感じる。おいしい食べ物を味わう。風を感じる。気持ちのいい布地に触れる。歩いてみる。人と話をしてみる。恋をしてみる。五感を鍛えるんです。これは非論理的なものだよね。)

「あっぱり、芸術的のセンスば磨かいばいいんじゃきゃ。」(つまり、芸術的なセンスを磨けばいいんですね。)

「そのどおり、だばきゃそれは目新しいごどではねんだし、人類はずいぶん長げんた間続けいてきたごどのんだかきや。」(そのとおり、でもねそれは目新しいことではないんだよ、人類はずいぶん長い間続けてきたことなんだから。)

(つづく)

良い旅を!

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