旅行のための買い物
翌日、チエコとサブローは足りないものを買うために郊外のホームセンターに向かいました。天気も良く気持ちの良いドライブです。自家用車で10分位走ると目的のホームセンターに到着しました。
買うべきものはメモに書いてきました。
「買わなくてはいけないものは意外に少なくて驚いたわ。」
「そうだね、普段使っているもので良いことも多いからかな?」
「買わなくてはいけないものを読み上げてみるわね。」
「うん。」
「身に着ける貴重品入れの袋、液体を機内持ち込みするときのための透明袋、プラグ変換機、ウエットティッシュ、耳栓、スリッパ、小さな懐中電灯、シャンプー、リンス、洗濯ロープ、洗濯用洗剤、小型・折りたたみ式で洗濯ばさみが数個付いた物干し、携帯用使い捨て懐炉ね。」
ホームセンターで探してみます。身に着ける貴重品入れの袋、液体を機内持ち込みするときのための透明袋、ウエットティッシュ、耳栓、スリッパ、小さな懐中電灯、シャンプー、リンス、洗濯ロープ、洗濯用洗剤、小型・折りたたみ式で洗濯ばさみが数個付いた物干し、携帯用使い捨て懐炉はすぐに見つけることができました。
プラグ変換機だけは置いてなかったので後でインターネットの通信販売で購入することにしました。
「旅行用に少し衣類を新調してみたいんだけれど・・・。」
サブローが言うとチエコも
「ええ、私もせっかくだから衣類を買いたいわ。」
「それじゃあショッピングモールに行こうか?」
「いいわねえ、そうしましょうよ。」
「よし来た!行くよ!」
サブローはホームセンターからほど近いショッピングモールに向かいました。そこはファッションを中心に品ぞろえをした巨大なショッピングセンターです。無事に駐車場に入りました。
二人は心行くまで買い物を楽しみました。旅行先で着る洋服や衣類を購入しました。冬の旅なので暖かい服装になるように心がけました。
二人は大満足で帰宅しました。
数日後
旅行社からの案内が届きました。それに応えて申込書を送りました。また、料金の振り込みも完了させました。その翌日にはスーツケースと変換プラグも家に届きました。さあ、出発まで一ヶ月になりました。
二人で体を鍛える
今回の旅行では歩くことも多そうです。その対策をどうしようかと二人で話し合っています。
「旅行ではたくさん歩くのかしらねえ?」
「そりゃあ歩くだろうなあ。博物館や美術館はもちろん歩くわけだけれど、飛行機の乗り換えや空港の中での移動など、歩く機会は多いよね。」
「私、普段あまり歩いていないから不安だわ。」
「そうだね私も車を使うことが多いからあまり歩いていないよね。」
「一般に東京の人たちは普段からとてもよく歩いているっていうけれど、同じ東京でも私たちはちょっと違うのかな?」
「若いころは都心まで通勤していたから本当によく歩いていたよね。退職してからはからっきしだね。」
「少し歩く練習をしておいた方がいいのかしら?」
「そうだね一日2~3キロメートルほど歩いておくだけでも役に立つかもしれないね。」
「そうしましょうよ。」
「スーツケースを引っ張って歩くのであれば筋力も少し付けた方がいいよね。」
「じゃあ筋トレもしましょうね。」
「体を壊してしまっては仕方がないので軽めにちょっとずつ鍛えて行こうね!いいかい?」
「はい!」
それから二人は昼間の暖かい時間に近所を歩くことにしました。初めは一日100メートルと、とても短い距離から毎日100メートルずつ増やしていきました。20日後には2000メートル。つまり2キロメートル歩けるようになりました。
立った状態で壁に向かっての腕立て伏せを初めは一日3回から一日1回ずつ増やしていきました。20日後には20回できるようになっていました。膝を曲げて仰向けに寝てお腹をのぞき込む程度の軽い腹筋を初めは一日3回から一日1回ずつ増やしていきました。こちらも20日後には20回できるようになっていました。
「旅行はスポーツだよ!」というのがサブローの口癖になりました。
「ほんの少しの努力だけれど旅に役立つといいね!」
「そうねそうだといいね!」
二人で予習
買い求めてあったロンドンとパリのガイドブックを二人で熟読しました。両市内の地下鉄マップにも目を通しました。ポンドとユーロについて、おおよその為替レートを確認しました。大英博物館とルーブル美術館についても代表的な収蔵物とその位置を調べておきました。膨大な収蔵物があることに驚きました。成田空港、ヒースロー空港、シャルルドゴール空港についてもその構造を調べました。チエコは特に両市内の食事処について良く調べていました。朝食以外は外食になるので良く知っておく必要があったからです。
旅行の行程表が届いてからは、その内容もよく読み込んでおきました。空港と宿の間の送迎や駅と宿の間の送迎をつけておいたのは少し心強かったです。
荷物を送る
一応都内在住なので成田までスーツケースを自分たちで持って行くことも可能なのですが、駅の階段と自分たちの体力などを考えると、事前に二人分のスーツケースは「成田空港まで送ることができれば送っておいたほうが良いね!」ということになりました。そこで、スーツケースを送るサービスを利用することにしました。いつもの宅配業者さんがにこやかに荷物を集荷して行ってくれました。
出発前日
早いものでいよいよ出発前夜となりました。体調も整え、事前学習も済ませ、荷物の準備もできました。
「いよいよ明日は出発ね!」
「楽しみだね!」
「そうね楽しみ!」
二人は食べすぎず、お茶は飲まず、家の戸締り火の用心を確認していつもどおりに就寝しました。静かに夜は更けてゆきました。
(つづく)
良い旅を!