欧州ミュージアム巡りの旅 13 (旅行連載小説短編)

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ロンドン二日目

翌朝は7時に起きました。二人とも少し脚が痛かったので湿布を貼りました。
身支度をすると、ランドリーが気になったので洗濯物を袋に入れて持って行きました。受け付けてくれる場所が判らず少し探しました。手続きをして一安心しました。

朝食会場へ行ってみるともう満席で順番待ちの長蛇の列ができていました。
「結構混んでいるね。」
「そうね、どうしようかしら。」
「朝食は料金に含まれているから残念だけれど、よそで食べる?」
「そうね、その方がいいかな?」
「コンビニで買うのもありだけど、お店でイングリッシュブレックファーストを食べるのもいいね。」
「そうね。」
二人は部屋に戻ると外出できる支度をしました。

喫茶店にてモーニング

二人で地下鉄駅の方へ歩いて向かいました。ロンドンの町並みは古い建物も多く雰囲気があります。霧のロンドンは有名ですが、今日は快晴、すべてが良く見えます。

朝から食べることのできそうな店に入りました。紅茶、トースト、ベーコン・ソーセージ・煮豆・焼いたマッシュルームのサラダ、スクランブルエッグと言ったものでした。座ることができました。
満腹になりました。一人5ポンドでした。日本円で1,000円でお釣りが来るくらいでしょうか。
一休みして出かけました。

ロンドンの老舗デパートでお買い物

地下鉄ピカデリー線のラッセルスクエア駅から乗りました。ヒースロー空港方面に向かう車両に乗ります。ロンドンの地下鉄はチューブと言います。ピカデリー線一本でナイツブリッジ駅で降ります。
「ロンドンの地下鉄は乗り越し精算ができないんだよ。」
「じゃあ乗り越した人はどうなるの?」
「無賃乗車扱いになって高額のお金を取られるらしいよ。ちょっと困るね。」
「帰りも気を付けなくちゃね。」
少し歩くとロンドンで最も有名なデパートに到着しました。
「ここだね。」
「そうね、ここね。」
二人はそのデパートに入りました。
デパートの中は老舗のデパートらしい雰囲気に満ちていました。華やかな中にも落ち着いた感じがします。
冬の行事に備えた品ぞろえでにぎやかでした。チエコはじっくりと商品を選びました。
結局、自分用に手袋とセーターを買いました。そのデパートのロゴの入った小さなビニール製のトートバッグも買いました。10ヶくらい買いました。
「ずいぶんたくさん買うんだねえ。」
サブローは思わず訊きました。
「自分用に2~3枚は使う予定なんだけれど、残りはお友達にあげるのにいいのよね。デザインが良いので喜ばれるのよ。」
「なるほどね。」
サブローは何も買うつもりはなかったのだけれど、マフラーとライオンの文鎮を買いました。

ひとしきり買い物が終わったところで時計を見るともうお昼でした。
二人は買った品物の入った買い物袋をぶら下げてデパートを出ました。
「買い物袋は僕が持つよ。」
サブローが買い物の荷物を持ってくれました。
「ありがとう。」
チエコは、自分から荷物を持ってくれたサブローの行動が嬉しかったです。素直に感謝の言葉を言えた自分自分でに驚きました。普段あまり感謝の言葉を言ってなかったなあとチエコは思いました。

フィッシュアンドチップスでお昼

通りを歩いていくとすぐ近くにフィッシュアンドチップスのお店を見つけることができました。とある宿の地下にあるレストランでした。雰囲気のある外階段を降りて半地下のお店に入りました。店内はモダンな英国調です。少しお客さんで込み合っていましたが何とか二人は店内の席に座ることができました。
「こういう感じのお店がおいしいんだよね。」
とサブローが言いました。
「期待しちゃうわ。」
とチエコが返します。
テンポ良くフィッシュアンドチップスが出てきました。フライにした魚とフライにしたポテトでした。魚のフライは外側がカリカリで少し硬めでしたが中はフワッと柔らかかったです。油はあっさりとしていて熱々で美味でした。チエコはタルタルソースで食べました。サブローは塩が合うと言っていました。フレンチフライもおいしく、少し冷めてもカリッとしていて良かったです。お魚とお芋が好きで揚げ物も好きなら飲み物とともに食べたらとても良さそうです。食べ終わるとお会計をしてお店を出ました。

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おなかが一杯になりましたから一度宿に帰ることにしました。来た時と同じ経路で戻りました。部屋に入るともう掃除は終了してきれいな状態になっていました。

少しお昼に塩分を多く摂ったので二人とも喉が乾いていました。ミネラルウオーターを電気ポットで沸かしました。部屋にあったサービスの紅茶を二人で飲みました。安い紅茶なのだと思いますがおいしかったです。

ロンドンバスツアー

「まだ時間があるけど、ロンドンの市内観光のバスツアーに行ってみる?」
「こんな時間でも大丈夫なのかしら?」
「大丈夫だよ。日本で予約しておいたからチケットの引換券はもう持っているんだよ。この近くでチケットの交換もできるし乗り場もあるようだよ。もちろんまだ営業時間中だと思うし。そうだ暖かい服装で行こうね。2時間くらい屋根のない車に乗るからね。」
「うん、暖かい服装にするね。さっそくさっき買った手袋もするわ。セーターも着るわね。」
サブローもマフラーを巻いています。
「そろそろ行こうか?」
「うん、あなた、市内観光も準備してくれていたのね。ありがとう。」
「どういたしまして。うんと楽しもう!」
二人で暖かい服装にして宿の部屋を出るとロビーに降りました市内観光のことを聞いてみるとまだ大丈夫そうでした。100%車窓観光ですが、二人とも歩きすぎて少し脚が痛くなっていたのでむしろその方が良かったのです。この宿付近から参加できて、またこの宿付近に降ろしてくれるようなのでとても便利です。
バスがやって来ました。赤い二階建てバスです。二人で乗りました。屋根のない開放感のある二階席に座りました。少し寒いかな?と思いましたが暖かい服装で来たので大丈夫そうです。
「寒かったら暖かい席に移動するから言ってね。」
「ありがとう。今のところ大丈夫よ。」
バスはバッキンガム宮殿、ピカデリーサーカス、ナショナル・ギャラリー、ダウニング街と進みます。
途中、乗り降りする人が多く。このバスの使い方として、見たい観光地で途中下車して見学して、また後から来たバスに乗車して移動する。ということができるようでした。
少しチエコは首回りが寒いなと思いました。サブローを見るとサブローはマフラーを一度外しました。長いマフラーです。サブローはサブローとチエコの両方の首にマフラーを巻きました。チエコは少し恥ずかしかったけれど配慮してくれたのが嬉しかったのです。
「ありがとう。」
と小さく言いました。サブローはにっこり微笑みました。
その後、ビックベン、ロンドンブリッジ、国王が戴冠式などを行う建物、タワーブリッジ、ロンドン塔とロンドンの名所を回ってくれました。一通り見ることができて良かったです。ロンドン名物の二階建てバスにも乗ることができたので二人とも大満足でした。

スマホで記念写真

宿でバスを降りるとサブローが言いました。
「そうだ、写真を全然撮ってなかったね。」
「そうね撮りましょうよ」
赤い二階建てのロンドンバスの前でスマホで写真を撮りました。自撮り棒はなかったけれどサブローは腕が長いので上手に二人の写真を撮ることができました。
「撮ることができて良かったよ。」
「いい記念になるわね。」

スーパー再び

「そう言えば君は今日もスーパーに行きたいって言っていたけどこれから行く?」
「そうだったわね、行こうかしら。」
「よし、それじゃあ行こうか」
また昨日のスーパーに行きました。また大きな買い物カートを押して歩きます。
日本に帰って食べるためのお菓子やインスタント食品などを買いました。
宿に戻り、出しておいたランドリーも受け取り部屋で一休みしました。
「さて、イギリス最後の晩ご飯。どうする?」
「そうね、どうしようかしら?」
「少しぶらついて探してみようか?」
「ちょっと冒険だけどそれもいいかも!」

(つづく)

良い旅を!

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