旅行中に医療を受けられない場合の応急処置

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はじめに

旅行中に体調を崩すことはよくあります。大抵の場合、手持ちの救急箱の中身でなんとか対処できることが多いです。あるいは現地の医療機関で医療を受けられることも多いです。ですから旅行中に医療を受けられないことはほとんどありません。医療は手遅れになる前にすぐ受けた方が良いのです。

けれども何らかの理由でそういうサービスを受けることができない場合もあり得ますから、それを想定して、そのような状況でもできることを考えておくことも悪くありません。そこで今回は現代的な医療器材などが何もない場合の体調不良への対処方法をまとめてみました。いずれの場合でも可能な限り早く医療機関を受診するのが原則です。

ここでお話しする内容については医学の知識のある医師や看護師に事前に相談して正しい知識を身に着けていただけますようにお願いいたします。私は素人ですから念のため。

発熱

「三点クーリング」がおすすめです。冷たい氷嚢(ひょうのう)などで「おでこ、脇(わき)、鼠経部(そけいぶ)」を冷やすというものです。現代の看護現場でも用いられている方法です。五点クーリングという言い方をする人もいます。「おでこ、右脇、左脇、右鼠径部、左鼠径部」ということです。三点でも五点でも意味はどちらも同じです。氷嚢がない場合はビニール袋や薄いゴム手袋でも代用できる場合があります。鼠径部は脚の付け根のことです。

気休めでペパーミントを口に含む人もありますが発熱時は避けた方が良いという説もあるようです。

これまた気休めですが体温を下げる意味でアイスクリームやジュースを食する人もいます。効果は未知数ですが摂取しやすく栄養価も高いのでその点では良いのかもしれません。

ただし、体温が摂氏39度を超える場合は急性の腎盂炎を起こしていたり、インフルエンザに感染していたり、気管支炎や肺炎を起こしていることもあります。場合によってはなんらかの難しい感染症にかかっている可能性もあります。そのような場合には一刻も早く医療機関を受診できるように頑張ることが大切です。水銀の体温計が42度までしかないのは医学的に意味があることなのだそうです。

高山病

登山や4,000メートル近い高地の観光などの場合は高山病になってしまうことがあります。これは空気が薄いことにより体の酸素不足で頭痛や吐き気が発生するものです。

基本的には山を下り、高度を下げることができれば症状が改善できる場合もあります。また、水分をたくさん摂り、どんどんトイレに行ってお小水として出すことも大事です。これは高山病の予防にも良い方法です。ときどき深呼吸をして酸素をたくさん吸収することも良い方法です。

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本当は高い所へ行く場合は、事前準備として高度順応しておく方が安心です。一度高度順応しておくとしばらくの間は持続するようなので、出発する少し前に高い山への登山をしておくと安心です。登山でなくてもロープウエーを使って高い所へ行くだけでも有効のようです。

緊張性頭痛

肩や首の筋肉がこわばって血管や神経を圧迫して起こる症状です。頭痛や吐き気が現れることもあります。肩や首をもみほぐしたり、ストレッチをしたりすることで良くなることがあります。お風呂に入って良く温めたり、暖かい湯たんぽで肩を温めることも有効です。懐炉や使い捨て携帯懐炉を使う場合は低温火傷をしないように注意が必要です。磁石で血行を良くすることができると信じて磁石を肩に当てて磁器治療的なことを試みる人もあるようです。

片頭痛

頭の血管が収縮することにより起こる症状です。やはり頭痛や吐き気が出ることもあります。対処としては鉢巻をして頭を締め付けます。暗いところで静かに横になり休むと良いです。横になることができない場合はアイマスクをして安静にします。アイマスクがない場合はバンダナでも大丈夫です。目を隠すためのバンダナは強く締めすぎてはいけません。緩めが良いです。

片頭痛の時には肩や首を血行が良くなるほどもみほぐしてはいけません。お風呂も入らない方が良いです。一時的な抑えとして飲み物なら緑茶や紅茶、コーヒー、ウーロン茶、抹茶、ココア、食べ物なら抹茶味のお菓子やチョコレートも使うことができるそうです。

下痢

下痢の種類によっては止めない方が良いとされています。脱水症状になるのが怖いので水分をどんどん摂ってどんどん下痢として出してしまうのが良いそうです。ミネラル分が不足してしまうのでスポーツドリンクがあればそれも薄めて飲むと安心です。時折塩を舐めるだけでもよいです。ただし、摂取する塩分の量はトータルで生理食塩水の濃度を超えないようにすることが大事です。生理食塩水の濃度は0.9パーセントです。医学界での処方箋指定では塩化ナトリウムを0.9w/v%含有する食塩水を「生理食塩液」と定義しているようです。 この食塩水は、人間の体液とほぼ同じ濃度です。

奥の手

ツアーメンバーに医師や看護師の方が参加している場合があります。アドバイスや手当をしてもらえるとラッキーですね。運が良ければ適切な処置のできる医療用品を携行している場合もあります。空港やクルーズ船には医務室がありますし、飛行機の機内にもある程度の医療品は備えられています。添乗員さんにお知恵をお借りするのも良いですね。

スマートフォンが使える状態なら対処法を検索すれば判ることもありますし、質問に答えてくれるサイトもあります。クレジットカードの付帯サービスとして医師と相談できる電話が設定されている場合もあります。

冷静に対処してベストな結果になるようにしましょう!

良い旅を!

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