服装で対策
発熱素材のアンダーウエア
最近では寒さに対する性能を高めた衣類が多数販売されています。体温に反応して遠赤外線を発する生地や水分に反応して発熱する生地など様々です。主にタイツ(ズボン下)やシャツ、靴下などに使用されています。一見すると薄着に見えても実際にはこの手のアンダーウエア類を着用している人も多いです。それらの生地が化学繊維(かがくせんい)であれば、うっかり汗をかいてしまってもすぐに乾くことが多いです。市販の製品を登山のときに着用する人もあります。
裏起毛のパンツ
パンツ(ズボン)の裏地に起毛が施されているものがあります。これはパンツの内部に空気の層を作るのでたいへん暖かく感じるようです。タイツ(ズボン下)をはかなくても十分に暖かいという人すらあります。
ダウンの衣類
コートや上着の下に着るとたいへん暖かい薄いダウン(羽毛)の衣類があります。もちろん上着として使っても良いようです。これらの中にはコンパクトに収納できる巾着袋が付属しているものがあり、それに収めるとたいへんコンパクトになります。
ダウン(羽毛)は、吸湿発散性に大変優れています。軽くてたっぷり空気を含んでいます。羽の芯がないもので、ふわふわとしたものです。水鳥の胸に生えているもので1羽から5~10グラムしかとることができません。ですから貴重なものです。ダウンを使用した製品は大変やわらかくしなやかで温かいのです。
よく似たものでフェザー(羽根)という素材があります。いわゆる一枚の羽根の全体を使ったものです。そのため湾曲した羽軸が付いています。こちらは弾力性があるため型崩れしづらい性質があります。そこで枕やクッションなどに使われることが多いようですね。
ウインドブレーカー
トップス(上着)の一つです。ナイロンやポリエステル、木綿などで作られていることが多いです。風によって体温が奪われることを防止する目的で使われます。ただし、保温性自体はあまりないものもあります。たたむとコンパクトになるので邪魔になりません。もしも、雨合羽をお持ちの場合はウインドブレーカーの代わりとして使うこともできます。
ウインドブレーカーには機能性を持たせた製品があります。生地の表面に撥水加工(はっすいかこう)を施して少しの雨ならしのぐことができるようにしたものや、裏地を付けて肌に当たる感じを良くしたもの。中でも保温のための裏地をつけたものはウォーマーとかウインドアップと呼ばれることがあります。ベンチレーターや透湿フィルムを付けて内部の蒸れを外へ逃がして軽減するもの。フードを付けて頭から首付近も風から守るようにしたもの。トップスとしてのウインドブレーカーに加えて同じ素材でできたボトムス(下着の上に履く下半身用衣類)もあります。こちらはウインドブレーカーパンツと呼ばれることがあります。Tシャツのように頭からかぶって着るものはピステ、それにフードが付くとアノラックとも呼ばれます。
コート
これは普通に服の一番上に着る衣類です。丈の長いロングコートは少しかさ張りますから荷物になります。けれども寒い地方に行くのであれば必需品です。映像などでも海外の北国の人たちは必ず着用しています。もちろん現代の日本ではロングコートでなくてもジャンパーなどのアウター(トップスの上から着用するコートやジャケット、ブルゾンなどのこと。)が充実しています。
手袋
一般的には毛糸の手袋が暖かくてよく用いられます。けれども軍手であっても無いよりはマシです。本当に寒い所へ行く場合は手袋の上に更にミトンの形をしたオーバーグローブという手袋をはめることもあります。手袋を探すときは、バイクの冬用手袋やスキー用の手袋、冬季登山用の手袋などのコーナーで探せば暖かくて使いやすいものが見つかるかもしれません。
帽子
防寒ということであればニット帽がコンパクトな割に暖かいです。特に髪を短くしている人には冬の必需品です。他にも寒冷地用の帽子やスキー用、登山用の帽子の中にも使いやすいものがあるかもしれません。ポイントとしては耳まで守れるものが心強いです。
靴
靴はどのようなものでも防寒に優れた靴下を履けばなんとかなることが多いのですが、それでも専門の物というのは存在します。いわゆる防寒靴というものです。これは靴の内側が起毛になっていてとても暖かいです。寒冷地のデパートやショッピングセンター、靴屋さんなどではよく見かけます。靴底のゴムに滑り止めの加工が施されているものや雪に食い込んで滑らないようにする金属の爪を出仕入れすることができるもの、丈が長めで口元を締める紐(ひも)が付いていて雪が靴の中に入らないもの、ジッパーの開閉で着脱が容易なもの、暖かいのに蒸れないように工夫されているもの、などもあります。もしも可能であれば撥水加工がしてあって水が靴の中に入りにくいものであれば更に安心です。
人によっては靴の中に更に靴用の使い捨て携帯用懐炉を入れることもあります。
昔は唐辛子を布に包んで靴の中の先端に入れたりもしたようです。