箱根・思い出のアート 6(旅行 連載小説 短編)

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ボードゲームタイム

二人のボードゲームは、初めはリサが優勢でしたが一回目はソウタが勝ちました。

「ソウタ、強いね!」

「それほどでも・・・。リサもなかなか手ごわいよ。」

「もう一回!いい?」

「もちろん、喜んで!」

もう一度ゲーム開始です。二回目は初めソウタが優勢でしたが結局リサが勝ちました!

「やったあ!私勝ったわ!」

「リサは意外と勝気なんだね!」

「いえ、それほどでも。」

二人で笑いました。

お風呂タイム

ひとしきり笑ったところでソウタが言いました。

「そうだ、そろそろお風呂入ろうか?」

「そうね・・・。」

「せっかく部屋に露天風呂がついているんだから一緒に入る?」

「うーん、それがね、私、ちょっと今日は無理なんだよう・・・。」

「どうして?」

「あのね、私も露天風呂楽しみにしていたんだけど急にね・・・。」

「急にって、ああ、そうか・・・。」

「なのよ。」

「ごめんね気づいてあげられなくて・・・。」

「いいのよそれは・・・。」

「それじゃあ今日たくさん歩いたのは辛かったんじゃない?」

「うん、でも楽しかったから・・・。」

「ごめんね・・・。」

「いいんだって・・・。私、内湯だけにするね・・・。」

「うん、わかったよ。じゃあ僕も内湯だけにしようかな・・・。」

「ソウタはいいのよ、せっかくだから露天風呂に入ってね。」

「ごめんね、じゃあそうするよ。ありがとう。」

ソウタは部屋に付いている露天風呂に入りました。露天風呂は開放感があり心地よく、一日の疲れが取れるようでした。空には星が見えました。風は少し冷たいけれどお湯は暖かく快適でした。リサは内湯にしか入ることができないのに自分だけ至福の時間を味わっていることをとても申し訳なく思いました。

浴衣に着替えて

二人とも湯上りには浴衣を着ました。リサは化粧を落としていましたが、可愛らしさはそれほど変わりません。浴衣もとても似合っています。

「お茶を飲もうか?」

「私いれるね。」

「いいよ座ってて。僕がいれるから。」

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茶碗を二つちゃぶ台に置きます。急須にポットから茶碗二杯分のお湯を入れました。少し急須が温まったところで二つの茶碗にお湯を注ぎます。この段階で急須に茶葉を入れます。茶碗が温まったところで急須に茶碗のお湯を入れます。急須にフタをして、しばらく蒸らしてからそれぞれの茶碗に急須からお茶を注ぎます。流れるように鮮やかな手さばきでソウタはお茶をいれました。

「ソウタ、すごいね!鮮やかだよ!」

「いやあ、このいれ方が正しいかどうかは判らないんだけどね。家では湯冷まし用の器を使ってお湯の温度を少し下げてからお茶を入れているので、それに近い方法で入れてみたんだけどね・・・。上手くいれられたかなあ・・・。はいっ、どうぞ!」

「ありがとう。」

二人はゆっくりお茶を飲みました。

「おいしいよ。」

「そう?よかった! そうだ、お菓子食べる?」

「そうね、チョコ食べたいな。」

「はいっ、どうぞ!」

「ありがとう!」

リサは目を閉じておいしそうにチョコレートを味わっています。

「お味はいかがですか?」

「とっても甘くておいしいよ!」

「そうかあ、良かったね!」

その後しばらくの間、お菓子を食べながらたわいのない話をしました。
夜食には炭酸飲料を飲みながらおにぎり、サラダも食べました。

二人の就寝

「そろそろ休む?」

「うん、ちょっと疲れちゃったかな私・・・。」

二人は歯を磨きました。

二つの布団は付けた状態で敷いてありました。枕もとの小さな明かりだけを残して他の明かりは消しました。静かな夜です。二人はそのまま布団に入りました。

布団の中でソウタは左手でリサの右手に触れました。リサはソウタの手を軽く握りました。

「リサは疲れていると思うけど、少しだけお話してもいい?」

「うん、いいよ。」

それからソウタとリサは二人が出会った頃のことやこれまでの様々なことを話しました。海、キャンプ、学園祭、紅葉狩り、スキー、お花見、日帰りのスケッチ旅行などなど・・・。

「私たちずいぶんいろいろな時間を一緒に過ごしてきたのね。」

「ああ、そうだね。本当にいろいろなことがあったね。」

ソウタもリサももっと話をしようと思ったのですが、旅の疲れが睡魔となりいつの間にか二人を深い眠りに落としてしまいました。

こうして箱根湯本の夜は静かに更けて行きました。

(つづく)

良い旅を!

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