台湾 DE ソリューション ⑨(旅行 連載小説 短編)

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九ふんの観光

モナ達はガイドのワンさんについて基山街のオールドストリートから登って行きます。幅の狭い道の両側に様々なお店が建ち並んでいます。そして、それがひたすら続きます。食べ物、衣類、雑貨、など何でもありました。近代的な売り場ですが、赤いちょうちんも飾ってあり、台湾情緒はあります。周囲はお店の人の話す中国語と観光客の話す中国語が飛び交っています。英語も聞こえてきます。

「やっぱり外国だねえ。」 とモナが言うと、

「そうだねえ、何を言っているのかさっぱりわかんないねえ。」 とメイが言いました。

「中国語と英語を少し勉強しておけば良かったですね・・・。」 とルイ。

ガイドのワンさんは、

「立ち止まらないでついて来てくださいね!」

みんなは立ち止まってお買い物をしたそうな顔をしています。

「後で自由行動の時間を取りますから、今は展望台までこのまま行きますよ。展望台からは海が見えますよ!とってもきれいな景色なんですよ!」
それから10分程、延々とお店ゾーンを登って行きます。

 

やがて、突然お店ゾーンが終わりました。すると視界が開けて展望台になりました。

「わああ、すごいね九ふんがよく見えるし、海まで見えるよ!」

「あれが基隆湾ですよ!」 とガイドのワンさんが教えてくれました。

「夜も素敵なんだろうね!」

「きっと、そうだね。」

展望台からは遠くに太平洋が見えていて、基隆湾が一望できました。

その後、名所の長い石の階段を見学しました。アジア的な建物に赤いちょうちん、エキゾチックだけれどどこかで見たことがあるような、初めて訪れたのにどこか懐かしい、そんな不思議な感じのする場所でした。映画のロケやアニメーションのモデルに使われるのも納得できる感じがしました。

「メイ、ルイ、私、ここに来て良かったよ!」

「そうだね、良かった!」

「私も!」

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その後、お店でお茶をいただきました。ウーロン茶を入れてくれるのですが、これが面白いのです。高さのある丸いトレイの上に急須があり、その周りに直径4センチメートルほどのとても小さい湯飲み茶碗を円形に並べてあります。急須に入ったウーロン茶をザーッと一周、円を描くように小さな湯飲み茶碗にかけます。丸いトレイにかなりこぼれていますが気にしないようです。丸いトレイの下にはこぼれたウーロン茶が入る器があり、後で中身のウーロン茶を捨てるようです。説明によると、1煎目は細かい茶葉や茎などが混ざっているのでそれを流してしまう意味で捨てるのだそうですが、その際、小さな湯飲み茶碗を同時に暖めてしまうのだそうです。合理的ですね。小さな湯飲み茶碗に入ったウーロン茶はお盆の上にこぼして捨ててしまいます。2煎目は一杯ずつ注いで行きます。そしてお店の人が各人に勧めてくれましたのでお盆から小さな湯飲み茶碗を手にとって飲みました。そのお茶はとてもコクと香りがありどことなく甘みすら感じるようでした。

「おいしいね!」

「うん、おいしい!」

「そうね、おいしい!」

「[おいしい]しか言わないね。」

ひとしきり皆で笑いました。

「私、日本でもこのウーロン茶の入れ方でウーロン茶をいただきたいわ。」

「じゃあ、ルリはあとでこのセットを一式買わなくちゃね。」

「買えるかなあ? 高くないかなあ?」

「後でお店で見てみようか?」

その後、旧映画館と軽便鉄道の跡をちょっと見学しました。

「この後、30分間自由行動の時間にします! この商店街を下りながらお買い物をなさってくださいね。先ほどバスを降りた時にお話させていただいた集合場所、覚えていますか?」

「はーい。」 と皆。

「私はこの商店街の入り口から少し離れたその集合場所で待っていますので。集合時間にはそこに集まってくださいね。」

「はーい。」 と皆。

モナとメイ、ルイの三人は道を下りながら次々とお店を見ていきます。

どうやらここで人気があるのは竹筒飯、台湾ソーセージ、冬瓜茶、手作り石鹸、阿給(あげ)・芋圓 (タロイモの白玉)紅麹肉圓・中華ちまきなどの小吃(おやつ)などのようです。

(つづく)

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良い旅を!

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