台湾 DE ソリューション ⑦(旅行 連載小説 短編)

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ルリの相談

「あのお、私も相談いいですか?」

「どうぞ!どうぞ!」

「ルリ殿のためならば、お力になりまするぞ!(笑)」

「実は私、結婚が決まっているんです。」

「そうなの? ルリ、おめでとうございます!」

「ルリ! 良かったね! おめでとう!」

「それがおめでたくもないんです。」

「そんなことってあるの?」

「はい、私の場合、彼との出会いがお見合いだったんです。何度か合ったりもしていて、彼がいい人なのはわかるんです。でも、その人が嫌いなわけではないんですが、とても好きと言うわけでもないんです。」

「なるほどね~。」

「こんな気持ちで結婚してしまっていいんでしょうか?」

「はいはい、ごちそうさまといった感じかな? ああ悪く思わないでね、ルリはいたって真剣に悩んでるんだよね。」

「もちろんです。」

「まあ、当事者にしか分からないことだし、皆も賛否があると思うんだけど、一般論を言うね。」

「なんか、俄然(がぜん)自信あふれるお言葉なんですけど、もしかしてメイの得意分野?」

「そう、恋愛と結婚についてはテレビドラマや小説で研究し尽くした私だからこそわかることもあるのよ。このメイ様にお任せあれ!」

「つまり、実践は伴ってないわけね・・・。なんか、ちょっと心配・・・。」

「まあね (笑)」

「それで、その一般論を聞かせて。」

「この問題のポイントは恋愛結婚とお見合い結婚の違いにあるんだよね。」

「恋愛もお見合いも出会い方が違うだけで結婚する点では一緒じゃないの?」

「それがちょっと違うんだよねこれが・・・。」

「そうなの?」

「うん、恋愛結婚は二人の気持ちがどんどん高まって行って結婚に至るわけ、結婚する時点で、もう80%位まで気持ちが上がっているのね、ところがお見合い結婚は結婚が決まった時点で20%位までしか気持ちが上がっていないの。」

「そんな高まっていない気持ちで結婚できるの?」

「そう、それでルリは悩んでいるわけ。だよね?」

「そうなのよ。」

「でもね、お見合いの場合、気持ちが高まっていなくても結婚できちゃうんだよなあこれが・・・。」

「なんでできちゃうわけ?」

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「それはね、恋愛の場合は相手の容姿や人柄、職業など、自分から見えるものだけで相手を判断しているのね。そして勢いで結婚できちゃう。だから実際の結婚生活になった場合、大アタリもあれば大ハズレもあるわけ。ところが、お見合いの場合は経験豊かな大人が客観的に見て二人の相性がどうかとか経済的なことがどうかとか、両家の雰囲気がどうかとか、様々な観点から良い組み合わせを考えるわけ。だから結婚したあとはハズレが少ないのね。だから、それを信じて結婚できちゃうわけ。」

「なるほどね。」

「ふーん。良い相手を選ぶとき、恋愛はくじ引きのようなもので、お見合いは内容をすべて判った上で選べるってことかな。お見合いが有利ね!」

「そう、でも考え方によっては恋愛はドラマチックで楽しく、お見合いは判りすぎていて面白くないとも言えるよね。」

「どっちがいいか難しいね。」

「そうだね。人によって好みもあるよね。」

「恋愛はとてつもない巨大な玉の輿(こし)に乗れる可能性があるけど乗ることが出来ない場合もある、お見合いは小さいけど確実に玉の輿に乗れるってことかな?」

「モナは玉の輿狙いなのね。」

「そういう訳じゃないけど、結婚を考えるときには経済力は大事だと思うんだよね。」

「それは言えるね。」

「ロマンチックなだけじゃご飯は食べられないよね。」

「でも私はそのロマンチックを体験しないまま結婚するのも悲しいです。」

「その点は心配ないよ。」

「そうなんですか?」

「お見合い結婚の場合はさっきも言ったように20%位まで上がった気分で結婚するわけ。それが一生かけて少しずつ少しずつ上がって行くの。恋愛結婚で80%だった気持ちが75%になったら5%も悪くなったと思うけれど、お見合い結婚の後、20%が25%になったら5%も幸せになったと感じるのね、その状態は恋愛結婚した人たちより50%も低いのにね。」

「じゃあ、あれかな? 恋愛結婚した場合はお互いに相手を好きでいる気持ちを高いままキープし続けなくちゃいけないのかな?」

「そうね。たゆまぬ努力が必要でたいへんだけど素敵なことでもあるよね。」

「どちらを選ぶかはその人次第ということなのですね。」

(つづく)

良い旅を!

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