宿にて
ガイドさんに案内されて宿に無事チェックインできました。今回の旅行の場合、夕食は宿のレストランに用意されているとのことでした。
モナとメイの部屋は3階だったので遠くの眺めはあまりよくありませんでしたが、道路に面していたので行きかう車や人を眺めていると興味深くて飽きませんでした。
台北の夕食
夕食会場へ向かうためにエレベーターを待っていると飛行機で隣に座っていた女性もやってきました。
「こんばんは!皆さん。」
笑顔で話しかけます。
「こんばんは!飛行機でお隣でしたね。」
「ええ、そうでしたね。」
「私は渋谷メイです。メイと呼んでください。こちらは世田谷さんです。」
「世田谷モナです。モナでいいですよ。」
「メイさんにモナさんですね。私は杉並ルリと申します。ルリと呼んでください。よろしくお願いします。」
「こちらこそどうぞよろしくお願いします。」
「ルリさんはお夕食ですか?」
「はい、そうです。」
「私達もです。もしよかったらご一緒しませんか?」
「いいんですか?ありがとうございます。」
夕食会場に入ると円卓でした。他のツアーメンバーも加えて5人でテーブルを囲みました。モナ、メイ、ルリ以外の二人は新婚さんのようです。二人だけの世界に入っています。少しだけ挨拶をかわしましたが、あとはお幸せにどうぞという感じです。
食事の内容は台湾の中華料理で、大皿を皆でそれぞれの小皿に取り分ける方式でした。さっぱりとしていて美味しくて、日本人の口にはよく合う味でした。分量たっぷりでした。
夕食を食べながら三人で色々なお話をしました。そして食事が終わるころ、それぞれが未来に実現させたい夢の話になりました。
一番初めにモナが夢を語ります。
「私はやっぱり結婚かなあ。仕事を辞めて、玉の輿! 経済力のある人と結婚して幸せに暮らすのよ! 一戸建ての家を建てて子供を二人作って、おしゃれして2ヶ月に一度は旅行をするの。そんな暮らしができたらいいなあ!」
次にメイが夢を語ります。
「私、お金は自分で稼ぐわ。男には頼らないの!かっこいいでしょ?。働いてお金を貯めて何かお金を生み出しそうなものに投資するの。成功者になりたいわ、でもモナみたいに幸せな結婚もいいよね、家と子供と未来の旦那さんと豊かに暮らしたいわ!家はマンションがいいな。やっぱり旅行はやめられないかな?」
最後にルリも夢を語ります。
「私は自分のことよりも子供に期待したいな。大人になったら経済的に助けて欲しいとか、晩年面倒を見てもらおうとかそういうことはまったくなしで、世の中の役に立つ、生きる力を持った子供を育てたいの。なりたいものにならせてあげたい。それが私の夢。子供にとって一番良い環境のところへ移動する可能性があるので住まいは賃貸がいいな。自分のことは、ときどき旅行ができればそれでいいかな?」
「メイもルリも、みんな、それぞれ思いは違うんだね、十人十色というけれど本当にそうなんだね。」
「でも、子供が欲しいというのは3人とも同じかな?」
「そうね、旅行好きというところも同じですね。」
「では、ここでメイさんとルリさんにクイズです! 住環境・家庭生活・子育て・旅行のどれにも関係あるのはなあんだ?」
「ポーン!」
「はい、メイさんお答えをどうぞ!」
「お金かな?」
「正解! やっぱりお金なんだよね・・・。」
「でも私は必要な分だけあればいいかな?」
「ルリは欲がないんだね。私は一攫千金熱烈大歓迎ですよ!」
「メイは欲深すぎ~!」
皆で笑いました。
デザートを食べてジャスミン茶を飲みました。
エレベーターに乗って3人で部屋に向かいます。
「ルリ、私達の部屋でもう少しお話をする?」
「ええ、もしご迷惑でなければ・・・。」
「じゃあみんなでお話しよう!」
(つづく)
良い旅を!