シンガポール・ホリデイ⑦(旅行 連載小説 短編)

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起床

ハナは夜が開けてすっかり明るくなった客室で目を覚ましました。隣のベッドではミナがまだ眠っています。時計を見ると7時でした。昨日は暑い中を一日中早足で歩き回ったので足から腰にかけて少し筋肉痛が残っています。それでもベッドから降りて窓辺へ行きカーテンを開けました。朝日に輝くシンガポールの街並みが見えます。景色を眺めながら「昨日はいっぱい観光してたいへんだったなあ。そうだ、リクトと話をしたり手をつないだり、楽しかったなあ。」

突然ハナは両目を誰かの手で隠されました。

ミナ「だーれだ?」

ハナ「あっ、ミナ?」

ミナ「正解~!おはよ!」

ハナ「おはよう!」

ミナ「何にやけてるの?」

ハナ「そんなことないよ。良く眠れた?」

ミナ「もうバッチリ!」

二人は身支度をしました。すぐに出かけられるようにスーツケースやショルダーバッグも準備しました。ミナのスーツケースはシンガポールの雑貨やおみやげ品でいっぱいになっていました。

朝食付きなので今日も朝食会場に向かいます。

シンガポール最後の朝食

朝食会場に行くと鈴木さん夫妻が食事中でした。鈴木婦人が手招きしています。

鈴木婦人 「あっ、おはようございます!ここ!ここ!」

ハナ・ミナ「おはようございます!」

ミナ   「相席いいですか?」

鈴木婦人 「もちろん!大歓迎するわ!」

着席して二人も食べ始めました。

鈴木婦人 「昨日はどうでした?楽しかったですか?」

ミナ   「はい、おかげさまで楽しい一日でした!」

ミナは昨日の観光内容を簡単に鈴木さんに説明しました。

鈴木婦人 「それは良かったですねえ!でもとても忙しいプランでしたね。」

ハナ   「はい。そうなのです。鈴木さんはいかがでしたか?」

鈴木婦人 「はい、私たちも良い時間を過ごすことができましたよ。」

鈴木婦人は昨日のことを話してくれました。

鈴木夫妻の話

昨日は食事と買い物だけされたそうです。

チャイナタウンでは雑貨のおみやげを購入したそうです。

おみやげはスーパーに限ると教えてくれました。

中華スーパーではチキンジャーキーやビーフジャーキーを購入したそうです。

インドスーパーではインドのクッキー アーモンドやひまわりの種
アーユルベーダに基づいた健康に良い石鹸 シンガポールの観光名所の絵が付いた小さな布製のぽち袋に入っている紅茶などを買ったそうです。万引き防止のためか買い物した袋の口を電気工事でよく使う結束バンドで留められて驚いたそうです。

アラブストリートではシルクのストールがとても安かったそうです。シルク30% カシミア70%なので大満足だったとか。

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そしてお食事はとても高級な宿泊施設内にある中華レストランで摂ったとのことでした。評判の良いお店で以前から行ってみたかったそうでした。うわさどおりで大満足とのことでした。食べることも旅の目的になるのですね。

昔話もしてくれました。一番初めにシンガポールを訪れたときにはマーライオン公園のマーライオンが工事中で下部が板に覆われていて、口から水が出ていなかったそうです。「マーライオン ホリデイ」と英語で書かれたプレートが付いていたそうです。とても残念に思ったそうです。二回目に訪れたときにはとうとうと水が出ているのを観ることができたそうです。

ハナ  「もう帰国ですね!」

鈴木婦人「今日ご帰国ですか?皆さんは2泊3日のプランなのですね。私たちは3泊4日なのでもう一日滞在するんですよ。」

ハナ  「そうでしたか!いいですね!」

鈴木婦人はハナのほうを見て微笑んで一言付け加えました。

鈴木婦人 「本当に大切な人と出会ったのなら恥ずかしがらずにその縁を大切にしたほうがいいですよ。」

ハナ 「えっ?」

鈴木氏 「それでは私たちはこれでお別れです。どうぞ良い旅を!」

鈴木婦人「ごきげんよう、さようなら!」

ミナ「はいっ!さようなら!」

ハナ「さようなら!お気をつけて!」

ハナはちょっと寂しくなってしまいました。

ミナはハナの腕に軽く触れてにっこり微笑みました。

ミナ「平気?」

ハナも微笑を返しました。

ハナ「うん。ありがとう。」

しばらく部屋で休んだ後、ロビーに降りました。

リクトとカイトがいました。

ハナ・ミナ「おはよう!」

リクト・カイト「おはよう」

空港へ

9時ころお迎えの車がやってきました。リムさんが笑顔で降りてきました。

リム「おはようございます!4名様ですね。おそろいのようなので出発しましょう!」

トランクを4つ車に載せてくれました。

リム「他には誰も乗りませんからゆったり座ってください。」

一人二席使用です。ちょっと贅沢ですね!

リム「空港までは30分ほどです。昨日は楽しめましたか?」

カイト「はい、とても楽しかったです!」

リム「それは良かったですね!シンガポールにはまだまだ楽しい観光地がありますからぜひまたいらしてくださいね!」

ミナ「はいっ!ぜひまた!」

カイト「今度は遊覧船で湾内クルーズもいいね、ランドマークになっている宿泊施設が綺麗に見えるらしいよ。」

ミナ「それ、いいね!」

無事に空港へ到着しました。リムさんに別れを告げて空港ターミナルに入ります。ターミナルは3つもあるようです。

(つづく)

良い旅を!

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