富士山にて・興味深い思い出(国内旅行)

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富士登山のパックツアー

パックツアーというと普通に観光地をめぐる旅が思い浮かびますが、実際には様々なものがあります。その中には登山のパックツアーもあるのです。そして人気が高いのが富士登山のパックツアーなのです。山小屋の手配をしてくれるので楽だと思い富士登山のパックツアーに申し込みました。登山のパックツアーに参加するのは初めてでした。今回は登山専門の旅行会社ではなく、国内旅行専門の旅行会社にお願いしてみました。

バスには添乗員さんが乗車していて案内してくれました。登山口からはプロのガイドさん2人も引率に加わってくれました。

登山開始

5合目から歩き始めます。一人のガイドさんがリーダーとして先頭に立ち、20人ほどのツアーメンバーさんたちが続き、最後尾に添乗員さんともう一人のガイドさんがサブリーダーとして付いてくれました。

登山のチームを、山岳の世界では「パーティー」と呼びます。

通常のパーティーでは、先頭にリーダーが立ち、次に一番体力の弱い人達が続き、その後、中等度の体力保持者が続き、その後ろに体力の強い人達が続き、最後にサブリーダーが付きます。(サブリーダーが先頭でリーダーが最後尾というパーティーも可能です。)

ところが今回のパーティはリーダーの次に体力の強い人達が付き、その後、中等度の体力者と一番体力の弱い人達が混在して進み、最後にサブリーダーが付いていました。

これは普通のパーティーとはまったく逆の構成だったのです。ガイドさんはプロとは言っても今日始めて合う人達ですからツアーメンバーさん達の体力が読めません。正しくパーティーを組むことは至難の業なのです。

そして今回は登山の間中、リーダーの後ろの体力の強い人達がリーダーのガイドさんをどんどん煽っていました。五合目から八合目の小屋まで3時間、山頂まで1時間半で登りました。これはヨーロッパアルプスに登ることができる速さと似ています。(八合目の小屋で数時間休んでいるのでまったく同じと言うわけではありませんが・・・。)結果として8合目の山小屋に到着したときには4人のツアーメンバーさんが高山病になっていました。翌朝添乗員さんと下山したそうです。登山者の20%が高山病で登頂を断念するのが富士山の平均的な登山の姿であるのかどうかは私は知りません。ただペースが早すぎて私も体力的にはぎりぎりでした。

山小屋にて

富士山は二回目でした。前回は個人で登ったので特に問題はありませんでした。ところが今回は少しだけ頭痛を感じました。市販の弱い解熱鎮痛剤とたくさんの飲み物を飲んで何度かトイレに行ったらすっきり良くなりました。トイレは有料でした。100円玉を用意しておく必要があると思いました。8合目で下りの分の水を買おうとしたらツアーメンバーさんの一人が「重いから1本だけにしたほうがいいよ。」とアドバイスしてくれました。なるほどと思い登りの分1本だけの購入にしておきました。

富士山頂

この日は天候があまり良くなく、ご来光は一瞬だけでした。  山頂で下りの分の水を買いに行こうとしたら8合目の小屋で水のアドバイスをしてくれたツアーメンバーさんの一人が「私が買ってきて上げますよ。」と言ってくれました。そこでお願いしました。記念品を買ったりしているとその人がココアを持って現れました。「はいどうぞ!」と渡されたココアはとても甘くておいしくて疲れが吹き飛ぶようでした。直後に集合の合図があったのでガイドさんのところへ移動しました。お願いした水のことはすっかり忘れてしまっていました。

そして富士山頂でのリーダーのガイドさんの言葉に少し驚きました。「ここで解散にします。五合目で集合してください。」そして流れ解散のように皆バラバラに下山を始めました。普通のパーティーでは山頂で解散してしまうことはまずないです。「富士山ではこれが普通なのかな?」と少し不思議に思いました。

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下山開始

9合目くらいまで降りたところでで先ほどの水をお願いしたツアーメンバーさんに「やあ申し訳ない水が重いでしょう。私の分は私が持ちます。」というと「ああっ!ごめんなさい!ココアだけ買って水を買うのを忘れてしまいました。」 と言うではありませんか、「これはしまった!」と思いました。人任せにした自分が悪いのです。そのツアーメンバーさんも自分の分の水を買い忘れたそうです。とりあえず、「8合目の山小屋で買いましょう!」ということになりました。

八合目

8合目で水を買おうと思っていたのですが、8合目の少し上の所でサブリーダーのガイドさんが追いついてきて、「約束の時間に集合場所に行ったら誰もいなくてあわてて追いかけて来たんです。どうしてバラバラに降りているんですか?」と聞かれました。「リーダーのガイドさんが頂上で解散にしましたよ。」というとガイドさんは「パーティーを立て直しますから付いてきてください!」と言われガイドさんに付いて行くことになりました。そのガイドさんとツアーメンバーさんと私で歩き始めました。話が盛り上がって楽しく歩いていったのですが中々他のツアーメンバーさんに会えません。「少し急ぎますよ!」と言ってガイドさんはペースを上げました。付いて行くので精一杯です。気がつくと8合目の小屋を通り過ぎていました。ガイドさんは「なかなかみんなに追いつけませんね。私は先へ行きますので皆さんは今のペースで歩いてきてください!」と言い残すと足早に降りていってしまいました。しばらく2人で歩いていると、二人同時に「あっ!」と声を上げてしまいました。そうです、八合目の小屋で水を買い忘れたのです。「途中で水を売っている所があればいいんだけれど・・・。」地図を見るとそれはかなり難しそうでした。私たちは水なしで降りることを覚悟しました。幸いその日は天気が悪かったので雲が太陽を遮ってくれて寒いくらいでした。途中霧も出て水なしでもなんとか歩くことができました。五合目までもうすぐというところでリーダーのガイドさんが後ろから追いついてきました。「大丈夫ですか?」ときかれました。よほど「水をください!」と言おうかと思いましたがもう、あとわずかで5合目ということがわかっていたので、「大丈夫です。」と言ってしまいました。ツアーメンバーさんも「大丈夫です。」と言っていました。そのガイドさんは足早に降りて行きました。喉の乾きもピークになっていました

五合目到着

ようやく5合目に到着しました。一番先に目に飛び込んできたのが飲み物の自動販売機でした。水のペットボトルを買うとツアーメンバーさんと2人で乾杯をして飲みました。今まで飲んだどの水よりも甘く美味しかったです。正直ほっとしました。けれども今までの山行の中で一番大きな過ちをしてしまったと思い反省しました。結果オーライなだけで課題は山積です・・・。

結局3人のツアーメンバーさんが集合時間に現れずガイドさん達は顔が引きつっていました。結局、一人はお土産さんにいました。2人は先にバスに乗っていたようです。一件落着です。

その後近くの温泉に入り食事をして葡萄(ぶどう)をおみやげに買いその旅は終了しました。

今回の教訓

① パックツアーの登山は皆のペースなので自分のペースとは合わない場合があります。ただし、ツアーのほうが楽な人の場合はツアーもありかなと思います。

② 難しい山の場合は個人的にガイドさんを雇って気心の知れた少人数で登るのもありかなと思います。あるいは少人数のパックツアーが良いかもしれません。

③ 登山で水は絶対に欠かせないものです。人任せにせず、確実に購入するようにしましょう。

④ 登山をするのであれば基礎体力を上げるトレーニングをしておくほうが良いですね。

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良い旅を!

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