落葉後の桜樹着雪を楽しむ
これはお花見よりも大分前の時期のお話です。冬の桜は葉がすべて落ちているのですが、雪が降ると枝に着雪します。それは枝一杯に花が咲いているように見えて美しいのです。プロの写真家さんも好んで撮る構図です。冬の桜は訪れる人も少なく静かな世界です。枝に着雪した様子は春が来たらこんな風に咲くんだろうなあと想像できてちょっと楽しいものです。
花よりも色の濃い開花直前のつぼみを楽しむ
開花直前のつぼみは、 その後、実際に咲く花の色よりもかなり濃い桜色をしています。そのため桜の樹全体が濃いピンク色に見えます。この色が見たくて足を運ぶ人もあるようです。もちろんこの状態の桜だけでは完全に満足はできません。つぼみを楽しむことのできる人も、やはり8分咲きや満開のときなど、幾度か足を運ぶようです。
3分咲き位のフレッシュな花を楽しむ
3分咲きではまだまだ樹全体が咲いているようには見えないのですが、花はどれも咲いたばかりで雨にも遭っておらずしっかりとした良い形をしています。特に花の接写での撮影をする人には好まれているようです。
この初々しい桜を眺めると、やがて到来する8分咲きや満開への期待感が増します。
日当たりの良いところにある桜なら、やはり同じ一つの桜の樹であっても樹の南側の方が先に開く傾向があるようです。
8分咲きの桜を楽しむ
普通の人は8分咲きの桜を見ると「満開だ!」と思ってしまうようです。実はまだ80%くらいしか咲いていないのです。そのためほとんどの花びらが花に留まっていますから若々しい風情です。8分咲きかどうかは枝の先の方を観察すると判ります。枝に咲いている花とこれから咲くつぼみが混在しているのでその比率を見ます。
桜のトンネルを楽しむ
桜並木など桜が道の両側に並んでいる場合があるのですが、そのような立地だと桜が咲くと桜ののトンネルができます。その下を歩くのはとてもロマンチックなものです。以前東京でとても長い桜並木を見たことがあります。今でもその感動を忘れることはありません。
満開の桜を楽しむ
満開は樹の天辺まですべての花が開いたときで、時折、ひとひら、ふたひら、花びらが舞う感じの時を言います。皆がこの時の桜の花を見たいのでお花見会場に多くの人や車が大集合しますから混雑も激しく、また賑やかな時でもあります。誰もが大満足して帰ることができるすばらしい頃です。
満開のころだと、お花見を終えてお帰り中の観光バスに笑顔で手を振ると、そのバスの乗客の皆さんも笑顔で手を振り返してくれます。
満開が何日か続くこともあるのですが、雨や霜(しも)に遭うと花の色や状態が悪くなります。やはり満開の初日がベストですね!
枝垂桜を楽しむ
普通の桜も良いのですが、枝垂桜は風に揺れて風情があります。満開の枝垂桜が春風により青空に揺らぐ感じもまた良いものですね。
枝垂桜の仲間は手の届く場所で花が咲きます。すぐ近くで桜の花を見ることができるのも魅力的です。
花筏
水面が静かな池や堀、湖などで桜が散り始めた頃見かけることができます。水面に落ちた花びらが数枚ずつ寄り添うように浮かんで情緒のある状態になります。満開から散り初めには皆が桜を見上げていますが、水面があるようならそこも見てみましょう。なるほどとうなる光景が広がっているかもしれません。撮影に夢中になりすぎたり、花筏に見とれて水に落ちたりしないように気をつけましょう!また、水辺では持ち物を落とさないように注意しましょう。一眼レフカメラのレンズキャップ、帽子などの落下にはご用心です!
お花見とは違うお話ですが「花筏」という名前の植物もあるようです。学名は Aquifoliales Helwingiaceae Helwingia Japonicaです。学名の意味は、 モチノキ目・ハナイカダ科・ハナイカダ属・(日本の)ハナイカダということだそうです。旧分類であるクロンキスト体系ではミズキ科に分類されていました。
さらに家紋に「花筏」という紋があります。筏に桜などの花を載せた図柄です。雅(みやび)な紋だと思いました。
花吹雪
桜が散る頃に見られる現象です。花吹雪と桜吹雪は同じ意味だと思います。散り始めたときに強い風が吹くと花びらが次々と舞い飛びます。
私が見た一番の花吹雪は「落花盛ん」のころにとても強い風が一瞬だけ吹き、風は止まりました。そのとき、枝に残る花がすべて同時に落ちたかと思うような散り方をしたのです。その光景は凄すぎて辺りからは「キャー」と歓声が上がりました。今でも忘れることのできない記憶です。
桜絨毯
桜の花びらが散り始めたころから散り終わるころにかけて、桜の樹の下の地面は桜色に染まっています。花びらが散り敷いたようになっているのです。とても寂しくもありますが美しく見える場合もあるのです。
地面だけでなく、池や水のあるお堀もピンク色に染まります。この時期を過ぎるとお花見はもうおしまい。春から初夏へと季節は移って行きます。葉桜もさわやかな、緑の季節になって行くのですね。
桜前線を追いかける
お住いの地域の桜が終わってしまったら少し北の方へ足を延ばしてみましょう。するとまた別の桜のお花見ができます。
よいお花見を!