みちのく・弘前にて 4(旅行連載小説 短編)

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お金の話

「だばきゃ、施設サ入っていらお年寄りや通ってぐらお年寄りば見でいらど、最後はやっぱりじぇんこのんだなて思うのしきゃ。じぇんこがあいば施設サも入ったり通ったりできらばって、じぇんこのね人はんだいうごどが難しいのしきゃ。例外もあらばってきゃ・・・。」(でもね、施設に入っているお年寄りや通ってくるお年寄りを見ていると、最後はやっぱりお金なんだなって思うのよね。お金があれば施設にも入ったり通ったりできるけど、お金のない人はそういうことが難しいのよね。例外もあるけどね・・・。」

「んだかのあ? だばんだかの。」(そうかなあ? でもそうかな。)

「微妙の言い回し~。」(微妙な言い回し~。)

「私、東京であまりうまぐ行ってながったかきや・・・。」(私、東京であまりうまく行ってなかったから・・・。)

「えっ? んだんず? 新進気鋭のデザイナーサのらんだり張り切って出かけいて行ったど思ていたばて・・・。」(えっ? そうなの? 新進気鋭のデザイナーになるんだって張り切って出かけて行ったと思っていたのに・・・。)

「まあきゃ、私しりデザインが上手コの人は東京サは山ほどいたの。結局、普通サ就職して、私の場合はじぇんこばり追いかけいて結局すべてば失ったわ・・・。」(まあね、私よりデザインが上手な人は東京には山ほどいたの。結局、普通に就職して、私の場合はお金ばかり追いかけて結局すべてを失ったわ・・・。)

そして正直にいままでのことを話しました。サクラは幼馴染だったので話しやすかったのかもしれません。サキは話し終わった後、東京での自分には友達がいなかったんだと気づきました。

「どってんしたじゃあのあ。だば正直サ話してぐれてありがどーごし。」(びっくりしたなあ。でも正直に話してくれてありがとう。)

「うんだ。こっちこそ、聞いてぐれてありがどーごし。」(ううん。こっちこそ、聞いてくれてありがとう。)

「へば、のおさきやじぇんこはだいじだど思うし。」(それなら、なおさらお金はだいじだと思うよ。)

「んだかのあ?もっど大事のものもあらびょんかのあ。」(そうかなあ?もっと大事なものもあるんじゃないかなあ。)

「そりゃあ、あらし(笑)」(そりゃあ、あるよ(笑))

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「え?」(え?)

「もちろんじぇんこは大事したばって、それがすべてだばねってごどかの?」(もちろんお金は大事だけど、それがすべてじゃないってことかな?)

「んだきゃ。」(そうね。)

 

「だばきゃ、サキがしてきたごどは間違ってあんつかいねし、やっぱりじぇんこは大事だもん。ただ、こいかきやは方法ばもっど考えだほうがいがの?)」(でもね、サキがしてきたことは間違ってなんかいないよ、やっぱりお金は大事だもん。ただ、これからは方法をもっと考えたほうがいいかな?)

「方法?」(方法?)

「んだ。まずは堅そんみ、定期的のじぇんこが入ってぐらしうサ工夫すらごど。こいは生活すらたまなぐサ必要ののきゃ。次は夢ばぼうごど。こいは生まれてきた意味きゃ。好きのごどば追求すらの。じぇんこは後かきやついてぐらごどもあらかきや。さきたの話かきやすらどサキだり東京でんだやてただばね。間違ってあんつかいねし。」(うん。まずは堅実に、定期的なお金が入ってくるように工夫すること。これは生活するために必要なのね。次は夢を追うこと。これは生まれてきた意味ね。好きなことを追求するの。お金は後からついてくることもあるから。さっきの話からするとサキだって東京でそうやってたじゃない。間違ってなんかいないよ。)

「んだかのあ。」(そうかなあ。)

「一つ忘れていたのは好きのごどばやていながったごとがの? サキの場合はデザインだし! あききやまなぐちゃだまなぐし。」(一つ忘れていたのは好きなことをやっていなかったことかな? サキの場合はデザインだよ! あきらめちゃだめよ。)

「ありがどーごし。よぐ考えてみらきゃ。」(ありがとう。よく考えてみるね。)

「んだ。応援してらし!」(うん。応援してるよ!)

サクラはサキに「お金が大事、でもそれがすべてではない。」また、「定期的な収入を得ながら夢を追うことも大事。お金は後からついてくることもある。」と教えてくれました。

サキはサクラの家を出ると実家に向かって歩き出しました。だいぶ日も傾いてきました。

(つづく)

良い旅を!

※ 会話部分は津軽弁で書きたくてがんばってみました。もし言葉や言い回しなど間違っているようであればご教示いただけますと幸いです。

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