グアム・デイズ ⑧(旅行 連載小説 短編)

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夕食はファーストフード!?

夕食はミウが食べたいと言うのでファーストフードになりました。ハンバーガーにポテト、サラダ、清涼飲料水。

「本当にこれでいいの?」

「ええ、食べてみたかったので・・・。」

「で、お味はいかがですか?」

「はい、マナトさんといっしょだと美味しいです!」

「ありがとう (笑) 」

「ところで明日はまだ帰ることができないんだよね。」

「そうですね。」

「一日時間がありそうだね。」

「そうですね。」

「せっかくだからグアムらしいことを何か出来たらいいね。」

「はい。」

「スキューバダイビングなんてどう?」

「いいですね!でも私、免許がないんです・・・。」

「このガイドブックによると、体験コースなら少し講習を受ければその当日、浅い海に潜ることが出来るらしいよ。」

「本当ですか?」

「やってみようよ!」

「はい。でも、できるかなあ?」

「きっとできるよ!」

本来はもっと早くからの予約が必要だと思われますが、宿にお願いして翌日参加可能なツアーを予約してもらいました。

その晩二人はそれぞれの部屋で熟睡しました。

出会った翌日

朝食は宿のレストランで一緒に摂りました。

「今日はスキューバダイビングをして、その後はどうしようか?」

「はい、できればパスポートが出来ているか確認して来たいと思います。」

「そうだね、もうできているといいね!飛行機の席も取れているといいね。」

「はい。」

マナトは昨日ほどは朝食を食べませんでした。

 

スキューバダイビング

それぞれの部屋で支度をするとタクシーでスキューバダイビングの体験をさせてくれるお店まで移動しました。

体験コースだとダイビング免許がなくても大丈夫だそうでした。2日間通えばダイビングの免許も取れるそうですが。二人で話合って今回は体験だけすることにしました。

プールで1時間かけて器具の使い方や水中での意思疎通のジェスチャー、やってはいけないこと、もぐり方の基本などをしっかりと学びました。

ミウは初め心配そうでしたが、慣れてくると逆に面白がっているようでした。

その後ビーチで浅いダイビングをします。数メートルと浅いのですが本当の海だし魚もいろいろいて、結構普通にダイビングの雰囲気を楽しめるのでした。青い小さな魚がとてもきれいでした。

海中でマナトは魚も興味深かったのですが、思わずミウを見つめてしまいました。それは美しいプロポーションに加えてミウの泳ぎがとても上手だったからです。とても初めてとは思えませんでした。後で聞いたら子供のころから水泳を習っていたんだそうです。なるほど上手に泳げるわけですね。

海から上がってきたとき、(なんだかミウのことが好きだなあ。)と純粋に思っている自分に気がつきました。

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このスキューバダイビングの体験コースは海の中をいろいろ見ることができて二人ともとても楽しかったようです。

上級の人たちは「イルカに会いに行くとか、海亀が住んでいるところに行くとか、何回も海に出かけて行くようでした。マナトたちは2回海に行きました。ミウは海中で二人の記念写真を撮ってもらったのが嬉しかったようです。

スキューバダイビングの体験が終わったとき、ミウはとても興奮していて、いつもより口数が多く、楽しそうでした。マナトは勧めて良かったと思いました。

「泳ぐことがこんなに楽しいことだとは思っていなかったの。だからうれしい。」

「良かったね!」

お昼は二人でお店の近くにあったレストランでステーキを食べました。

帰国に向けての準備

昼食後、在ハガニア日本国総領事館へ行きました。パスポートはできていました。

旅行会社に電話してみたところ飛行機も明日か明後日のの便が取れているそうでした。どちらもマナトが乗る便よりも前の日の便でした。マナトは自分の便も変更して一緒に帰ろうと思い、旅行社に電話してみましたが、ミウと同じ便に変更することはさすがにできませんでした。そのためミウは明日の便を選びました。二人別々の便で帰国することになりました。

夕食

夕食は、二人一緒にディナーショーを観に行きました。ミウは終始楽しそうにしていました。
ショーの音楽が小さくなったときにマナトはミウに「君のことが好きだよ・・・」と言おうとしますが、言いかけたのと同時に大きな音楽が再び鳴り始めたので、うまく伝えることができませんでした。

宿に帰ってからロビーでマナトとミウはそれぞれの住所、氏名、電話番号、メールアドレスを交換しました。

「費用は必ずお返ししますので。」

「はい。」

明朝のタクシーを予約しておきました。

その日もそれぞれの部屋で熟睡しました。

ミウは空港へ

翌日、早朝にマナトはミウをグアム国際空港まで見送りに行きました。

比較的人の少ない時間帯なので空港のロビーはがらんとしていました。二人は別れを惜しみながら一緒にコーヒーを飲みました。

「そうそう日本に行って困るからこれを・・・。」

マナトが用意しておいた封筒に入れたお金を彼女に手渡しました。

「いえ、私はたぶん大丈夫だと思います。」

「そうかなあ、バスとか電車とかで必要だし、とりあえずご飯を食べるのにも必要だと思うから・・・。」

「はい、ではお預かりしておきます。私を心配してくださりありがとうございます。」

ミウは笑顔で軽やかに手を振りました。

マナトも大きく手を振りました。

マナトはミウを乗せて飛び立っていく飛行機を見えなくなるまで見送りました。

「結局、好き!とは言えなかったなあ・・・。」

マナトは空を見上げながらつぶやきました。

(つづく)

良い旅を!

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