シンガポール・ホリデイ③(旅行 連載小説 短編)

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シンガポールへ

シンガポールの空港はチャンギ空港です。2017年時点で世界ナンバーワン(5年連続)という人気の高い空港です。空港には、ひまわりガーデン、バタフライガーデン、無料映画館、乗り換え時のフリーツアー、無料インターネットコーナー、休憩スペース、子供プレイスポット、プールなどの設備があります。インフォメーションカウンターで申し込めば無料WiFiも使うことができます。チャンギ空港は24時間眠らない空港と呼ばれているそうです。

ちなみに2017年、世界第二位の人気空港は羽田空港です。

飛行機で出された食事は二人にはとても美味しかったようです。

ハナとミナを乗せた飛行機は順調にフライトを続け無事にチャンギ空港に着陸しました。

検疫、税関、入国審査を無事通過して空港の到着ロビーに出ることができました。今回のツアー会社のマークを大きく書いてあるボードを持ち、立って待ってくれている現地係員さんが見えました。

ミナ「あのマークだよね!」

ハナ「そうだね!」

二人は愛想よく挨拶しました。

二人「こんばんわ!」

リム「ようこそシンガポールへ!現地係員のリム(Lim)と申します。どうぞよろしくお願いします。」

流暢な日本語でした。ちょっとほっとします。

二人「よろしくお願いします!」

リム「あと4名様を待ちますから。」

夜とは言ってもシンガポールは常夏なので少し暑いです。

ミナ「暑いね・・・。」

ハナ「熱帯夜?」

やがて鈴木さんというお年寄りの夫妻が一組現れました。シンガポールは3回目だそうです。

その後、背の高い若い男性が二人現れました。なんとそのうちの一人は羽田空港の保安検査で飲み物を一気飲みしていた彼です。

現地係員のリムさんに先導されて空港ターミナルビルを出ます。送迎用の大きな乗用車にスーツケースを乗せて全員乗り込みました。市内に向けて出発です。

リム「このたびは当社のツアーをご利用くださり、まことにありがとうございます。私は現地係員のリム(Lim)と申します。漢字では「林」と書きます。日本人なら「はやしさん」です。これから皆様を宿泊施設までお送りさせていただきます。今夜はゆっくりお休みいただいて、明日は一日自由行動です。シンガポールをお楽しみください。あさっての朝、皆様を宿までお迎えに参ります。そして空港までお送りさせていただきます。」

後で聞いたらリムさんは若いときに日本に4年ほど留学していたことがあるので日本語が上手なのだそうです。

空港から30分ほどで宿に着きました。チェックインが完了してからリムさんに別れを告げ部屋に向かいました。ビジネス用の宿泊施設でしたが小奇麗な部屋でしたからとても快適です。シャワーを浴びて歯を磨いたら恋の話をすることもなくすぐに二人とも熟睡してしまいました。

翌朝は7時に起床しました。朝日がまぶしいです。日焼け止めをしっかりと塗りました。

朝食付きとのことなので食事場所へ降ります。

ビュッフェ形式の朝食でした。ほぼ満席状態でした。会場には昨日の背の高い若い男性がいました。まだ食事中でした。

ミナ「ここ相席してもいいですか?」

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カイト「どうぞ。」

ハナとミナは二人の若者と相席になりました。

ミナ「はじめまして!私はミナ、こちらはハナ。東京から来ました。よろしくね!

カイト「はじめまして!俺はカイト。こっちはリクト。俺らも東京だぜ。よろしくな!」

ミナとカイトは二人ともなんだかすごく笑顔です。

羽田空港で飲み物のペットボトルを一気飲みしていたのはカイトだったのだとわかりました。さわやかな感じがちょっといいなとハナは思いました。

ハナとミナがお皿いっぱいに朝食を盛ってきました。

リクトは「飲み物、何がいい?」と訊いてくれました。

ミナ「あたしはオレンジジュース!」

ハナ「私も同じものを・・・。」

リクト「オレンジジュースを二つね!了解!」

朝食はおいしかったです。旅の気安さからお話も盛り上がりました。リクトは自動車修理の仕事を、カイトはバイク便の配達員をしているそうです。二人とも東京在住。接点はオートバイ好きというところらしいです。

今日の観光をどうしようかという話になったのですが、行きたいところが良く似ていたので4人で一緒に観光しようということになりました。

観たいもの

① パダンからランドマークになっている最新の巨大な宿泊施設のビルを観る。

② 最新の植物園に行く。

③ 夜の動物園に行く。

朝食会場を出るとき鈴木さん夫妻にも会うことができました。鈴木さんたちは、おいしいものを食べに行くと言っていました。

同じ部屋に連泊なのでスーツケースは鍵をかけて置いていきます。

パダンへ

さあ、早速観光に繰り出します。ハナとミナ、そしてカイトとリクトは宿泊施設を出発しました。今日は朝からとても暑いです。東京の真夏と同じ感じです。さっそくタクシーでパダンに向かいます。昨日は夜だったので景色がよくわからなかったのですが、ヤシの木が多くエキゾチックな街並みです。とても清潔な印象です。

パダンはマレー語で平地を意味するそうです。シンガポールの独立宣言が出されたのがここパダンです。1965年8月9日のことでした。ここからは最新の宿泊施設ビルがとても良く見えます。三つのホテルタワーが屋上でつながっています。シンガポール屈指のランドマークタワーです。みんなで記念写真を撮りました。

その後少し歩こうということになりました。芝生がとてもきれいでした。

ミナは「二人の旅行だね!」なんて調子の良いことを言っていたのにハナがちょっといいなと思っていたカイトにずっとべったりです。カイトとリクトとミナは三人で楽しそうに話しながら歩いています。ミナは一人で後を付いていく感じです。なんだか面白くありません。一人で暇だったので暇にまかせて横の景色を眺めたりしていました。「きれいな街・・・。」とつぶやいてみたりしました。でもなんだかとても悲しい感じです。するとリクトが足を止めてハナを待ってくれました。リクトは「平気?」と声をかけます。ハナはなんだかうれしくなってしまいました。

ハナ「うん、平気だよ。」

リクト「ならいいんだけど・・・。」

ハナ「暑いね。」

リクト「本当に暑いね。蒸し暑いんだよね。」

(つづく)

良い旅を!

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