徳島にて
もう10年以上も前のことですが、徳島の阿波おどりを観に行ったことがありました。私は阿波おどりが行われる日の前日に徳島入りしました。とてもとても暑い夏の日でした。駆け足でいくつかの観光をすることができました。
① 選抜有名連の踊りを見学 地元では「プロ」と呼ばれる人たちが阿波おどりの前日に大きなホールで躍っているのを観ました。ほとんど毎日近く練習をしている人達だそうでした。完成度の高いとても美しい踊りでした。ステージいっぱいに躍動する姿に感動を覚えました。見ている観客も熱を帯びてきています。いやがおうでも雰囲気が盛り上がってきました。
② 阿波おどりの会館を見学 阿波おどりの実演は私の時間の関係で観ることができませんでした。しかしながら、阿波おどりの資料は見ることができました。おみやげも充実していました。「すだち」という柑橘系の果物で作られた各種製品がさわやかで良かったです。
③ ロープウェイで眉山に 阿波おどりの会館5階が山麓駅になっていました。そこから有料のロープウェイが出ていたのでそれに乗って眉山に登りました。徳島市と広々とした海の風景が見えました。眉山は「びざん」と読みます。山の形が人の眉(まゆ)の形であることから、そう呼ばれているようです。
④ 渦を見る観光船に 渦潮を見るために観光船に乗りました。渦はあまり巻いていなかったです。そのときのコンディションがあるようです。最近ではホームページで良く見えるときを「潮見表」で公開しています。大潮のときがチャンスのようです。
⑤ 阿波人形浄瑠璃を見せてくれる屋敷を見学 阿波人形浄瑠璃は淡路島で発達したもので大阪に渡って文楽となったそうです。阿波人形浄瑠璃は国の重要無形民俗文化財に指定されているそうです。農民のために屋外で上演することが多かったようです。そのために、遠くからでも表情がはっきりと見えるように、人形の頭が文楽のものよりもとても大きくできているとのことでした。
前日は市内の宿泊施設が取れていたので外が暗くなってからチェックインしました。
翌日は市内の散策をしました。
これは余談ですが、市街を散策していたらお寺さんがありました。ちょうどお墓参りをされている様子でした。少し驚いたのですが、そのお寺では生花は禁止のようでした。生花の代わりに青木をあげていました。生花をあげたお墓のところにはとても大きなスズメ蜂が飛んできていました。「なるほどそういうことか!」と合点が行きました。線香も禁止のようでした。密集した市街地ですからそのほうが良いのかもしれません。
阿波おどり
いよいよ阿波おどりが始まりました。予約しておいた桟敷で観ました。 すばらしい迫力と独特のリズム。選抜された連とは言っても、いくつもの団体がありました。それぞれ踊りも衣装も個性的でした。伝統のある連も多いようでした。
いつまでも出口付近で踊り続けている連があって、後ろの連が進めなくて困っていると 「すばらしい踊りをありがとうございました。それでは皆様、明るい未来へ向かってお進みください!」 とアナウンスが入りました。これは 「後がつかえているから、早く撤収しましょう!」の意味のようでした。たまたまだったのかもしれませんけれども、やわらかい表現でとても気に入りました。
企業の連ではイケメンの芸能人が先頭で踊っていました。間近で見ることができてうれしかったです。観客席では皆うれしそうに写真を撮っていました。踊っているご本人もとても楽しそうでした。
観客席ではカメラを趣味にしているとおぼしき紳士が席を離れて通路の一番前まで行き写真を撮りまくっていました。その紳士の奥さんはほったらかされて一人ぼっちになっていました。一人でつまらなさそうにしていました。なんだか気の毒な気がしました。と、その直後、紳士は係員に注意されて、すごすごと席に戻ってきました。ばつの悪そうな紳士と対照的に奥さんはなんだか嬉しそうでした(笑)
桟敷での阿波踊りが終了したので私は夜の徳島を後にしました。夕食を済ませました。
かなり事前でも、この日は徳島市内では宿が取れなかったので、徳島市からだいぶ離れた場所に宿を予約しておきました。そしてとある海辺の宿にチェックインしました。到着時に、女将(おかみ)さんが栄養ドリンクを無償で渡してくれました。素泊まりでしたがオフロはありました。 民宿なので、なんだか友達の下宿に来たかのようでとてもリラックスすることができました。その晩は熟睡しました。今まで味わったことがないほど深く眠りました。夕べは気がつかなかったのですが水道は少し塩の味がしました。朝はモーニングセットを食べるために近くの飲食店に行きました。 出発時に、女将さんは大玉のたまねぎを一人に二つずつおみやげに渡してくれました。おかみさんは太陽のように笑顔でした。今でも忘れることのできない宿でした。
途中のサービスエリアで食べた海鮮料理は美味でした。
良い旅を!